【札幌記念】ソダシ「食わせながら調教」可能にしたベテラン厩務員のワザ

2021年8月23日 05:30

札幌記念を制したソダシ鞍上の吉田隼は須貝師とハイタッチ(撮影・千葉 茂)

 【記者フリートーク】函館競馬場で調整したソダシに2週間、密着した。担当の今浪隆利厩務員はゴールドシップも手掛けた腕利き。連日の取材にも「君らも大変やな」と嫌な顔ひとつせず応対してくれる。優しい表情からは分からないが、レースに向けての調整は実は苦労だらけだった。

 478キロ(前走472キロ)で放牧先から函館競馬場に入厩したが、馬体重は一時、470キロまで落ちた。「食わし込みながら調教をするしかない。何とかカイバを食わせる。それを優先的に考えた」。ソダシは完食せず、ほんの少しだけ残す癖がある。これを利用した。いつも残す分だけ多めにカイバをつけた。ソダシは馬体を徐々に戻し、レースには4戦連続、同じ馬体重(472キロ)で登場した。ベテラン厩務員の凄みを見た思いだった。(大阪本社・寺下 厚司)

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