【有馬記念】ウインキートス 坂路で伸び伸び!丹内「いい感じ」
2021年12月23日 05:30 【G1ドキュメント・美浦=22日】朝一番。小田は坂路テレビの前でウインキートスを待った。バランスオブゲームもフェイムゲームもそうだった。宗像厩舎の管理馬はまず坂路を上がる。4F68秒9のキャンター。本追い切りはWコースへ…が定番なのだが、再び坂路へ。前にいたフォーンリリー(2歳未勝利)を早めに抜き去って4F54秒2。伸び伸びと上がった。
宗像師は「先週、コースで併せ馬をしたので折り合い重視。あまりテンションを上げないような形でやりました」と柔らか仕上げの意図を説明した。
騎乗した丹内は「凄くいい感じ」と目を輝かせた。地道に力をつけ、4歳の今年飛躍。目黒記念で重賞初V。前走・エリザベス女王杯(10着)でG1にも初参戦した。「前走は返し馬から雰囲気が良くなくて…。いつもより発汗して、初めての関西輸送も影響したかもしれない。もっと走れると思った」と敗因に触れた。
舞台は【2・5・1・2】の中山に戻る。2走前のオールカマー(2着)ではG1馬のグローリーヴェイズやレイパパレに先着。丹内は「中山は走り慣れているし、距離はあった方がいいと思っているので2500メートルはぴったり。スタートもいいので、おのずと前の方になると思う」と気合を込めた。
デビュー18年目、36歳で初の有馬記念騎乗を果たす鞍上は心底喜んだ。「中学3年の時、グラスワンダーとスペシャルウィーク(99年)を見て、絶対に有馬記念だけは出たいと思っていました。ようやく夢がかなったので、思い切って乗るだけです!!テレビの前で鳥肌を立てながら見たので、既に感動しています」。
力強く結ぶと、小田の横にいた記者は「ウルッときた…」とポツリ。父ゴールドシップも12年にVゴールを飾った有馬記念。ウインキートスが突き抜ければ、67歳宗像師はG1挑戦52度目にして悲願初Vもかなう。陣営に負けないくらい、小田の心も熱くなっていた。