【京成杯】オニャンコポン来たにゃ~ クラシックに名乗り「偉大な者」豪快差しで重賞初制覇

2022年1月17日 05:30

<中山11R・京成杯>鮮やかに差し切ったオニャンコポン(右手前)が重賞初制覇(撮影・西川祐介)

 3歳G3「第62回京成杯」が16日、中山競馬場で行われ、6番人気オニャンコポンが中団から鮮やかな差し切りV。前走ホープフルS11着から巻き返し、デビュー4戦目で重賞初制覇を飾った。鞍上の菅原明良(20)は、21年東京新聞杯(カラテ)以来のJRA重賞2勝目。2着に5番人気ロジハービン、3着に8番人気ヴェローナシチーが入り、3連単32万3010円は京成杯の史上最高配当となった。

 愛くるしい馬名からは想像もつかない、力強く鋭い末脚でオニャンコポンが中山の急坂を駆け上がった。好スタートを決めたが、他馬を行かせて中団をキープ。「好位で競馬した前走(ホープフルS11着)は、3角で脚がなくなった。今日は我慢させて脚をためたかった」と菅原明。直線で脚を使えるかは「半信半疑」。それでも愛馬の将来を考え、折り合いに徹した。直線で外に持ち出し、最速3F34秒7の末脚で突き抜けた。「思った以上の脚を使ってくれた」。腹をくくった大胆騎乗に想像を超えるポテンシャルで応えた。

 「乗り方は明良に任せていたが、最初に位置を取りに行くところで、いったん下げた。あれはアイツの度胸。大したもの」。小島師は好騎乗を称えた。2着に1馬身1/4差の完勝に「戦法に幅が出て、賞金を加算できたことで今後が楽になった」と喜んだ。猫を想起させる馬名だが、由来は西アフリカの言語・アカン語で「偉大な者」。レース後のツイッターでは、一時「オニャンコポン」がトレンドワード1位に。菅原明は「競馬を知らない友人も興味を持ってくれている。僕自身乗せてもらって感謝しかない。自分も馬に負けないよう名前を売っていきたい」と力を込める。

 今後のローテーションは未定も賞金的に皐月賞、ダービーは出走“当確”。愛馬を「ポンちゃん」と呼ぶ小島師は「G1でコテンパンにやられた馬。そんなに甘くない」。気を引き締めた上で「重賞を勝ってクラシックに臨める馬は限られるので、そういう意味でも成績を残したい」と意気込む。エイシンフラッシュ産駒はこれが重賞初V。父は10年のこのレースを制してダービー馬へと飛躍。父の軌跡を追って。ポンちゃんの進撃は春へ、新緑の初夏へと続く。 

 オニャンコポン 父エイシンフラッシュ 母シャリオドール(母の父ヴィクトワールピサ)19年2月11日生まれ 牡3歳 美浦・小島厩舎所属 馬主・田原邦男氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績4戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金5783万5000円 馬名はアカン語(西アフリカに住む民族の言葉)で「偉大な者」の意味。

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