【大阪杯】ポタジェ 重賞初制覇がG1、8番人気が大仕事 金子オーナーはG1完全Vまであと4

2022年4月4日 05:30

<阪神11R・大阪杯>叩き合いを制しG1初勝利を挙げた吉田隼騎乗のポタジェ(中央)左は2着のレイパパレ、右は3着のアリーヴォ(撮影・奥 調)

 今年から1着賞金2億円に増額された古馬中距離G1「第66回大阪杯」は3日、阪神競馬場で行われた。8番人気の伏兵ポタジェが接戦を制し、待望の重賞タイトルがうれしいG1制覇となった。騎乗した吉田隼人(38)は昨年ソダシで制した桜花賞以来G1・4勝目。所有する金子真人ホールディングスは当レース初制覇となり、JRA・G1・24レース完全制覇まであと「4」となった。人気を二分した昨年の年度代表馬エフフォーリアは9着、5連勝中のジャックドールは5着に敗れた。

 王者でも、新星でもなく、勝ったのは重賞未勝利の善戦マンだった。桜が映える3~4コーナー、好位にいたポタジェが進出を開始。年度代表馬エフフォーリアが後方でもがく中、一完歩ごとに前との差を詰めた。ラスト100メートルで逃げたジャックドールをかわし、残り50メートルで昨年の覇者レイパパレもとらえた。8番人気での大金星。スタンドから拍手が起こると、吉田隼は馬上で何度も右腕を突き上げて喜びを爆発させた。

 「強い馬相手に一発やってやるぞと思っていました。素直にうれしいです。最後はがむしゃらに追ってて奇麗な追い方ではなかったが、よく勝ってくれました」

 勝負の分かれ目は最初のコーナー。鞍上は「エフフォーリアもジャックドール、レイパパレの後ろを取りたいだろうと思っていた。エフフォーリアの後ろだと分が悪い。スタートを決められたのは良かった」と振り返る。前走の金鯱賞は後方からの競馬で追い上げるも届かず4着。その敗因を生かし、ライバルを射程圏に入れてレースを進めた。

 17年のG1昇格後、6年連続で管理馬を送り込んだ友道師にとっては大阪杯初V。ゴール前の接戦に、指揮官は「久しぶりに競馬を見ていて声が出たね。レース前にジョッキーと相談して、思った通りの競馬をしてくれた」と好騎乗を称えた上で「前走の後から走るフォームが柔らかくなり、上積みを感じていた」と調子の良さも勝因に挙げた。

 18年セレクトセールで馬主の金子真人HDにより、2億520万円(税込み)で落札されたディープインパクト産駒。期待された逸材だが、陣営は焦らず成長に合わせてレースを選択。3歳夏の1勝クラスから4連勝を飾り、昨年の金鯱賞でようやく重賞の舞台に立った。それから1年後につかんだG1のタイトル。指揮官は「一気にジャンプアップしてくれた。頭の下がる思いですね」と勝利をかみしめた。

 今後は同じ阪神内回りの宝塚記念(6月26日、阪神)が視野に入る。善戦マンを返上した良血。指揮官が「まだまだ体が緩いので、良くなってくると思う」と口にすれば、鞍上も「もうひと段階ギアが上がれば、もっと上にいけると思う。これからが楽しみ」と期待を寄せた。鞍上は1年前の桜花賞を同じ勝負服のソダシでV。「桜が奇麗なんで何とか(天気が)持ってくれて良かったですね」。桜が似合う男が今年も仁川で大仕事をやってのけた。

 ◆ポタジェ 父ディープインパクト 母ジンジャーパンチ(母の父オーサムアゲイン)17年2月4日生まれ 牡5歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績15戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金3億6282万6000円。馬名の由来はフランス語で家庭菜園。

 【大阪杯アラカルト】
 ☆調教師 友道師は昨年の朝日杯FS(ドウデュース)以来のJRA・G1勝利で通算15勝目。

 ☆種牡馬 ディープインパクト産駒は昨年レイパパレに続き2年連続6勝目。11年から12年連続でのJRA・G1勝利で通算69勝目。

 ☆生産者 ノーザンファームは18年スワーヴリチャードから5年連続勝利。JRA・G1は通算174勝目。

 ☆関西馬 17年キタサンブラックから6年連続で関西馬が勝利。

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