サートゥルナーリア初年度産駒3億円!G1馬ステルヴィオ半弟「ラルケットの2022」を金子真人氏落札

2022年7月13日 05:30

3億円で落札されたサートゥルナーリアの初年度産駒となる「ラルケットの2022」(C)Japan Racing Horse Association

 日本が世界に誇る名牝シーザリオの血を求めて――。日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2022」は12日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで2日目の当歳セリが行われた。新種牡馬サートゥルナーリアの産駒に熱い注目が集まり、「ラルケットの2022」(牡)には3億円の値が付いた。一方、種牡馬の先輩であり、兄のエピファネイアも16頭中半数の8頭が“1億超え”で威厳を示した。なお、売り上げは2日間合計で従来のレコードを約32億円上回る史上最高の257億6250万円となった。(落札額は全て税抜き)

 現役時代、歴史的名牝シーザリオの最高傑作と評されたサートゥルナーリア。その初年度産駒が登場するたび、セリ会場は熱気に包まれた。最高潮は上場番号339「ラルケットの2022」。半兄にマイルCS覇者ステルヴィオがいる良血馬は競りの応酬の末、金子真人ホールディングス㈱が3億円で落札した。

 金子真人氏は破顔一笑。「(リザーブ価格7000万円と)評価が高かったですし、いい馬かな、と。競り落とせて良かった。走ってくれるといいですね」。ディープインパクト、キングカメハメハと名馬ぞろいの金子軍団。今春もソダシ&ポタジェがG1制覇と、日本競馬界の話題の中心に君臨し続ける「黒、青袖、黄鋸歯(きょし、のこぎりの歯のこと)形」の勝負服を背に、ターフで喝采を浴びる姿が目に浮かぶ。

 シーザリオの子が種牡馬入りするのはサートゥルナーリアで3頭目。3番子エピファネイアは牝馬3冠馬デアリングタクト、昨年の年度代表馬エフフォーリアを出しており、6番子リオンディーズも海外で勝利を挙げたピンクカメハメハ、テーオーロイヤルなど産駒が存在感を示している。

 それぞれの現役時代を見守ったキャロットファームの秋田博章代表は「シーザリオは本当に凄い馬だった。3歳7月に牝馬が1頭で米国に遠征(アメリカンオークス1着)してあの走り。その精神力と能力を受け継いだ子供、そして孫が競馬を盛り上げてくれてうれしい限り」と相好を崩す。相馬眼に定評がある同代表による兄弟種牡馬3頭のタイプ分けは端的。「エピファネイアは父のシンボリクリスエスの影響が大きくパワー型。ロードカナロアのサートゥルナーリアは柔軟性があって、祖父のキングカメハメハっぽい感じ。(父キングカメハメハの)リオンディーズの産駒と比べるとサイズが大きくて安心感があるので、万人受けするのでしょう」。サートゥルはこの日、新種牡馬で最多の14頭が上場され、平均9257万円と大盛況だった。

 紡がれる希代の名牝の血。父の母シーザリオのサラブレッドたちが大舞台で上位を独占する未来が現実味を帯びている。「ラルケットの2022」が主役になるであろうサートゥルナーリア初年度産駒の旋風が吹き荒れるのは2年後、24年だ。

 ▼角居勝彦元調教師(現役時代のシーザリオ、サートゥルナーリアを管理) シーザリオの子供がこれだけ評価されてうれしく思います。

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