【仏G1ジャックルマロワ賞】バスラットレオン7着 外ラチ沿い逃げ粘るも力尽く

2022年8月15日 05:25

バスラットレオン

 欧州の壁は厚かった。仏伝統のマイルG1「第101回ジャックルマロワ賞」は14日(日本時間同日深夜)、同国北西部のドーヴィル競馬場で9頭で争われ、欧州遠征中の日本馬バスラットレオン(牡4=矢作)は7着。好スタートから先手を奪ったが早々と脚色が鈍り、馬群にのみ込まれた。1番人気の英国馬インスパイラル(牝3=J&T・ゴスデン)が差し切りV。3度目のG1制覇を飾った。

 直線1600メートルのゴールが遠かった。6番ゲートから好スタートを切ったバスラットレオンは外ラチ沿いに進路を取って逃げる形。力の要るボンスープル(やや重)の芝で徐々にスタミナをそがれていく。ラスト3Fで苦しい手応え。最後まで気持ちを切らさず走り切ったが、しまいの伸びを欠いて7着に敗れた。

 矢作師は「外の馬場が良かったので(コース取りは)作戦通り。日本の逃げ馬はラチを頼って走るし、不安を解消させるのに外に行った」と回顧。ただ、これまで経験したことのない舞台設定で「全く息が入るところがなかったとジョッキーが言っていた」とペース配分を敗因に挙げた。

 05年開業の矢作厩舎にとって、創成期を支えたスーパーホーネットで初めて海外に遠征(08年香港マイル5着)してから14年。リアルスティールを起用した16年ドバイターフで海外初勝利を飾ると、その後もオーストラリア、香港で勝ち星を挙げ、昨年は米国のブリーダーズカップ2勝で世界中のホースマンをアッと言わせた。目の前の壁がどれだけ高く、分厚くてもチャレンジし続けることが矢作厩舎のスタイルだ。遠征初戦の前走・サセックスSは無敗9連勝を飾ったバーイードと0秒6差の4着。欧州現役最強マイラーの強さを肌で感じ、その敗戦を糧にし、ドーバー海峡を渡ってドーヴィルへ。2戦を踏まえ、悔しさをにじませながらも「もっともっと努力してリベンジしたい。それだけを考えています」と前を向いた。

 この後、僚馬ステイフーリッシュがドーヴィルにやって来る。28日のドーヴィル大賞をステップに欧州最高峰の凱旋門賞(10月2日、パリロンシャン)へ。トレーナー、スタッフ一丸で「世界のYAHAGI」がチャレンジを続ける。

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