【ジャパンC】アナイス・デュモン調教助手 仏馬グランドグローリー異国で有終飾る「いい結果を期待」
2022年11月23日 05:30 秋のG1企画「時の人」。ジャパンCはフランス馬グランドグローリーを調教するアナイス・デュモン調教助手(26)にスポットを当てる。同馬は引退レースに予定していた昨年のジャパンCで5着に健闘。現役を1年続行することになり、2勝を上乗せしただけでなく、前走・凱旋門賞で5着に食い込むなど、さらなる飛躍を遂げた。馬場適性の高さは証明済み。今年は頂点を狙ってやってきた。
――昨年のジャパンCは直線で末脚を伸ばし、勝ったコントレイルから0秒8差の5着だった。確か昨年、ジャパンCの後、繁殖牝馬セールに出すという話だったが…。
「はい。その通りです。予定通りに12月のアルカナ・セール(フランス)に上場して250万ユーロ(当時約3億1610万円)でウス牧場に売却されました。新オーナーは繁殖牝馬として購入しましたが、調教師とオーナーが話して、ジャパンCの内容がとても良かったので今年も現役を続けることになりました」
――2年連続のジャパンC参戦。2度目の東京競馬場。馬の様子は?
「非常に順調です。調教でもリラックスして走れています。初めてコースに入れた時、地下馬道からコースに出ると、前回来たことを覚えていて、あちこち景色を見回していました。写真を撮られるのが好きな馬でポーズを取っていましたよ」
――22日にはゲート試験も行った。
「2度、ゲートに入りましたが出るのも入るのもスムーズでした。23日には追い切りを行う予定です」
――予定を変更して現役を延長。G3を含め2勝を上乗せした上に英G1プリンスオブウェールズS3着、仏G1凱旋門賞5着と欧州の一線級相手にも好走。昨年よりも力をつけている印象を受ける。
「メンタルが進化しました。自分が何のために運動しているのか、しっかり分かっている。輸送も順調で、なぜ輸送されているのかも理解している。なので、到着してからの疲れも少なかった。カイバもしっかり食べていました」
――前走、凱旋門賞5着をどう見たか。
「日本馬がいいスタートを決めて速いペースでした。グランドグローリーは中団の後方に付けていました。大雨で直線に入る前にスタミナが切れる馬がいる中で、最後に伸びてくれました」
――今年から東京競馬場の内馬場に新国際厩舎ができた。昨年までは千葉の競馬学校にいったん入厩した後、再度、東京競馬場への輸送があった。居住性を含めてどう感じているか。
「素晴らしい施設です。馬が快適に過ごせるようになっている。競馬学校を経由せず直接、東京競馬場に入れるようになったのも負担が少なくなっていい。これで、より良いパフォーマンスを発揮できると思います」
――前走時と比べて状態は?
「前走後はさすがに少し調教を休みました。そこから強度を上げて調教していって、今は前走の時と比較しても状態はいいと言えます」
――デュモンさん自身は騎手を3年ほどで辞め、助手になった。その理由は?
「元々、騎手としてキャリアを積もうとは思っていませんでした。馬をよく知るために…と思って騎手になりました。今の調教助手という仕事は自分に合っています。長く続けたいです」
――今年も好走を期待したい。
「2度目のジャパンC参戦。これで繁殖に上がると思いますが、昨年以上のいい結果を期待しています」
◇アナイス・デュモン 1996年2月19日生まれ、フランス出身の26歳。14歳で現地の騎手育成学校に入学。卒業後すぐにビエトリーニ厩舎に所属。3年ほど騎手を続け、同厩舎で調教助手になった。