【朝日杯FS】岡浩二氏 G1でもファンに高配をオオバンブルマイ!

2022年12月14日 05:30

京王杯2歳Sを制したオオバンブルマイのパネルを持つ馬主・岡浩二氏(撮影・坂田 高浩)

 秋のG1企画「時の人」は朝日杯FS出走のオオバンブルマイを所有する岡浩二氏(57)にインタビュー。新馬戦(5番人気)、京王杯2歳S(10番人気)の連勝でファンに高配を振る舞った。G1でも大盤振る舞いなるか。サラブレッドに情熱を注ぐオーナーブリーダーが熱く語った。 

 ――昨年5月に京都ハイジャンプ(マーニ)でJRA重賞初制覇。そしてヨカヨカで北九州記念、アカイイトでG1を勝ちました。馬主18年目だった昨年以降の活躍が印象的です。
 「(昨年は)筋書きがあるのかなって思うくらいのストーリーでした。今年前半は少し調子が悪かったんですが、ここに来てゴライコウ(JBC2歳優駿)、オオバンブルマイ(京王杯2歳S)と中1日で勝たせてもらいました。お互い人気薄でしたから、こんなこともあるのかなと」

 ――オオバンブルマイの生産牧場であるサンデーヒルズ(北海道新ひだか町)を18年に開業されたきっかけは?
 「気になる血統、実績のある牝馬をセレクトセールなどのセリで購入することから、生産に少しずつシフトしていきました。知り合いの牧場に預託していたんですが、少しずつ頭数が増え、そのタイミングでうまく土地も見つかったんです。このあたりで一からやってみようかと。18年に開業して初年度が今の3歳になるんですが、6頭デビューして5頭が勝ち上がり、その中からアネゴハダが桜花賞に出走。その後、重賞(CBC賞)で3着に来てくれました」

 ――そして創業2世代目からオオバンブルマイが出ました。
 「母ピンクガーベラは親しくさせていただいているノースヒルズの前田幸治オーナーに、開業祝いでプレゼントしてもらった馬です。(母系には)アンブライドルズソングとか、ブランボヌールとか重賞を勝っている馬が多く、その血統に負けない成績が出て、恩返しできたことがとてもうれしいです」

 ――父がディスクリートキャットです。
 「配合は僕が考えました。(キズナなど活躍馬が多く出ている配合の)ディープインパクトと(母の父)ストームキャット。(母方の曾祖父が)サクラバクシンオーなので、ストームキャットの肌にディープじゃなくて、ディープの肌に(ディスクリートキャットの祖父)ストームキャットをつけようと。それがうまいこといきました」

 ――育成時代の印象は?
 「(1歳秋以降は)初期馴致(じゅんち)は北海道のチームプレアデス、騎乗慣らしができたら、雪が降る前の12月くらいまで大山ヒルズ(鳥取県)でお世話になりました。ボディーは小さいけど血統馬らしく前向きさとスピードがあり、健康優良児ですこぶる順調だと聞いていました。一番みんなが言ってくれるのは、勝利につながる根性が備わっている点。能力以上に走ろうという気が強く、競走馬として抜いてやろうという根性があるのが武器ですね」

 ――オオバンブルマイという馬名も印象的です。
 「ファンの皆さまにたくさん配当を与えられるように、また夢を与えられるように、ということです。京都馬主協会の常務理事で広報委員長をさせていただいていて、ホームページで馬名を募集し、その中から選びました。応募してくれた方に感謝しています。あまり使われていない日本語でも、いいものがたくさんありますから。ヨカヨカは自分でつけたんですけど、アカイイトも馬名募集ですね」

 ――オーナーブリーダーとして意識されている点は?
 「牧場をやるコストは凄くかかりましたけど、セリで高騰した値段を考えると、やって良かったなと。例えばサンデーヒルズとして重賞、G1を勝った馬が出て、牧場に付加価値がついたときに、世間の皆さまがどう評価してくれるのかも楽しみです」

 ――馬選びのポイントは?
 「馬主さんの98%くらいは調教師の方にお任せだと思います。自分もそれでスタートしています。ただ、自分も競馬をもっと勉強しようと思って、セリはセレクトからオータムまで、馬主では一番多いんじゃないかというくらい、熱心に通っています。勉強させてもらったことが近年の成績につながっているところもありますし、果敢にチャレンジし、ビッグなレースを勝つために、そういうことも必要だと思います」

 ――朝日杯FSはもちろん、年末まで楽しみなレースが続きます。
 「朝日杯FSは強い馬がそろいます。できれば内枠が欲しいですね。距離は大丈夫だと思うので、また大盤振る舞いできたら、と思います。有馬記念のアカイイトもしっかり仕上げてもらおうと思っていますし、中山大障害にもマッスルビーチが出るので、楽しみにしています」

 ◇岡 浩二(おか・こうじ)1965年(昭40)1月2日生まれ、大阪府出身の57歳。株式会社ランテック代表取締役。日本馬主協会連合会の社会貢献・広報副委員長。京都馬主協会では常務理事および広報委員長を務める。主な所有馬にアカイイト(21年エリザベス女王杯)、ヨカヨカ(21年北九州記念)、マーニ(21年京都ハイジャンプ)、セレスハント(10年サマーチャンピオン、11年東京スプリントなど交流重賞4勝)など。

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