【有馬記念】アカイイトが紡ぐ波乱物語!牝馬好走舞台で輝き増す

2022年12月23日 05:25

厩舎周りで運動するアカイイト(撮影・亀井直樹)

 歴史は繰り返す――。有馬記念は現在3年連続で牝馬が馬券に絡む。19年Vリスグラシュー、20年Vクロノジェネシスといった上位人気だけでなく、過去5年で見ると17年8番人気クイーンズリング、20年11番人気サラキアと人気薄の牝馬が力走した。5歳牝馬アカイイトは2年連続参戦。上昇カーブを描いてクリスマス決戦へ。「G1ドキュメント栗東」で取り上げるイズジョーノキセキともども牝馬が気になる存在だ。

 2年連続参戦のアカイイトが高配の立役者となるか。昨年のエリザベス女王杯を10番人気で制し、3連単339万円をもたらした波乱劇が脳裏に焼きついているファンも多いだろう。その勢いに乗って挑んだ昨年の有馬記念は6番人気7着に敗れたが、同じ臨戦過程でも今年は上昇度が違うという。柴田助手は「この秋3戦目で雰囲気は一番いいと思います。去年はエリザベス女王杯がピークで、有馬記念はその状態をキープという感じでした。ただ、今年は休み明けを叩いて一気に、という感じじゃなくて、前走を使ってさらに良くなりました」と好気配をアピールした。年を重ねた影響もあるだろうが、緩やかな上昇カーブを描き、秋2戦を経てピークと思える出来。最終追いは坂路で幸が稽古をつけ、4F51秒8で強めに負荷をかけられた。「動きは良かったですよ。当週にサーッとやると気が抜けちゃう。牝馬の調整というよりは牡馬のような感じ。走り頃だと思います」とびっしり気合を乗せての勝負仕上げだ。

 連覇を狙った前走は11番人気ながら、最後方から目を見張る末脚で4着まで追い上げた。5歳でも衰えは見られない。むしろ結果こそ出ていないが、成熟して末脚に磨きがかかった感もある。要は展開ひとつ。ファン投票1位のタイトルホルダーを見ながら、後続が早めに仕掛ければ、差し馬の台頭はある。

 「相手は強いけど、展開が向いてくれればチャンスはあります」と柴田助手。今年未勝利で人気は落とすかもしれない。そんな時こそ、ファンの記憶に刻まれる激走を見せそうだ。

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