【東海S】プロミストウォリア 脚伸ばし2馬身差で4連勝 フェブラリーSへ重賞初挑戦で決めた

2023年1月23日 05:24

<中京11R・東海S>逃げ切り、重賞初制覇するプロミストウォリア(右)(撮影・平嶋 理子)

 新時代の幕開けだ。五分のスタートからハナを奪ったプロミストウォリアが後続を寄せつけず、先頭でゴールを駆け抜けた。昨秋の1勝クラスから4連勝で重賞ウイナーの仲間入り。ムルザバエフは「馬の上に乗っかっているだけ、というイメージで乗りました。(使いながら)どんどん良くなっている。今は充実しているし、G1でもチャンスはあると思う」と称賛した。

 スタート直後にヴァンヤールがつまずいて落馬。3角付近ではカラ馬が背後に迫ったが焦らず、自身のリズムを守った。直線は鞍上が鼓舞し、力強く脚を伸ばして2馬身差V。その勝ちっぷりは未勝利戦から6連勝で19年東海Sを制した厩舎の先輩インティを彷彿(ほうふつ)させる。野中師は「心臓を診てくれている獣医師さんは、普通に走ったら負けないと言ってくれていた。実戦を(コンスタントに)使えていたこともあり、調教ではなかなかつくれない部分、中身ができていた。とりあえずホッとしたね」とプレッシャーから解放され、安どの表情を浮かべた。

 これまで順風満帆ではなかった。20年3月にデビューしたが右前橈骨(とうこつ)遠位端骨折が2回、左前橈骨遠位端骨折が1回。何度も挫折を味わった。休養中は牧場をはじめ、厩舎スタッフが時間をかけて調整。少しずつ体質が強化され、復帰後は破竹の4連勝。「キャリアも浅いし、肉体的にも精神的にも、もっと良くなる」と話した。

 インティは19年東海Sを制し、続くフェブラリーSでG1初制覇を飾った。「インティの方が(東海Sを勝った時点で)完成度は高かったし、少しタイプも違うけど上積み、伸びしろを考えると少しずつ(インティに)近づいているのかな」。ちょうど1カ月後、フェブラリーS(2月19日、東京)の切符を手にした。「脚元の状態を見ながらだけど前向きに考えます」と語った。偉大な先輩の背中を追いかけ、遅れてきた怪物が出世ロードを突き進んでいく。

 プロミストウォリア 父マジェスティックウォリアー 母プロミストパーク(母の父フジキセキ)17年3月26日生まれ 牡6歳 栗東・野中厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道平取町の坂東牧場 戦績7戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億280万円 馬名は母名の一部+父名より。

特集

2023年1月23日のニュース