【記者が選ぶ福永祐一ベストレース(4)】無敗の3冠制覇「親孝行になった」

2023年2月24日 05:05

<菊花賞>コントレイルで勝利し三冠ポーズを決める福永 (撮影・奥 調)

 18年に悲願のダービージョッキーとなった福永。そこから1年ちょっとで「大きな目標だった」というスーパーホースに出合った。コントレイルだ。無敗でのクラシック3冠制覇が懸かった20年菊花賞。単勝1・1倍の断然人気に支持されたラスト1冠は想像以上に苦しいレースになった。道中からプレッシャーをかけられ、なだめるのに必死だった。直線はアリストテレスとのマッチレース。何とか首差の大接戦をモノにした。「3冠は馬がもたらしてくれた勲章。コントレイルのおかげです」。ホッとした顔で引き揚げてきた鞍上の表情は忘れられない。

 偉大な父を持つという背景は人馬でダブる。父ディープインパクト以来、15年ぶりの無敗3冠。鞍上の父・洋一も天才と呼ばれたトップジョッキーだった。「重なる部分もありますが、自分はコントレイルほどできた息子ではない。父がかなえられなかった夢を自分が代わりに果たすことができて親孝行になったかな」。3月からは父もたどり着けなかった新たなキャリアが始まる。もう比べられることもないだろう。福永祐一調教師として新しい景色を見せてくれることを期待したい。

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