【サウジC】クラウンプライド 内枠から大仕事だ!昨年の経験生かし順調調整
2023年2月24日 05:05 サウジアラビア国際競走(25日、キングアブドゥルアジーズ)は22日夜の枠順抽選会(レッドシーターフハンデキャップ、サウジカップの2鞍)を経て全6鞍の出走馬と枠順が決まった。日本からはネオムターフカップを除く5鞍に計20頭がスタンバイ。昨年UAEダービーを制したクラウンプライド(牡4=新谷)は2度目の海外遠征でサウジカップに参戦する。枠順は新谷師がくじを引き、3番ゲートからG1獲りのゴールを目指す。JRAによる馬券発売はない。
海を越え、再び中東にやって来た。クラウンプライドは昨春にドバイでUAEダービーを制し、そこから米国に転戦してケンタッキーダービーに参戦。13着に敗れたが道中2番手で流れに乗り、スピードは示した。前走・チャンピオンズC2着後は放牧を挟んで2度目の海外遠征へ。昨年の経験が生きているからか、サウジアラビアに着いてからも順調そのもの。水曜の最終追いはキングアブドゥルアジーズのダートコースを軽快に駆け抜けた。
その後、夜の枠順抽選会は13頭中、8番目に名前を呼ばれ、新谷師が壇上へ。引いたのは馬番と同じ3番ゲート。マイクを向けられ「自分が3月生まれなので3番で良かったです」と軽くジョークを飛ばし「内寄りで良かった」というのが正直なところ。仕上がりを問われると表情を引き締めて「去年はドバイ、アメリカに行っているし、輸送や調整は全く問題ありません」と即答。UAEダービーで騎乗したレーンとの再コンビについては「勝つための選択をしました」と全幅の信頼を置いている。
リヤドダートスプリント出走の僚馬リメイクを合わせ、2頭に同行している松田助手はかつて森秀厩舎、角居厩舎のスタッフとして海外遠征の経験が豊富なホースマン。サウジアラビアジョッキークラブが公式ニュースで、その松田助手を取り上げるなど現地でも注目される存在だ。1着賞金1000万ドル(約13億円)を懸けた世界最高の超高額決戦で大仕事をやってのけるか。準備は整っている。
▽キングアブドゥルアジーズ競馬場 元々サウジアラビアの首都リヤドにあった競馬場の規模が小さかったことから市内の別エリアに場所を移し、03年に開場。ほぼ平たんの左回りで1周約2000メートル、幅員24メートルのダートコースがあり、20年の第1回サウジカップデーに合わせて内側に芝コースが新設された。サウジカップの舞台となるダート1800メートルは向正面右手奥の引き込み線からスタートしてワンターン。直線は400メートルで日本でいえば中京のようなイメージになる。ダートは砂にウッドチップなどを交ぜ、サウジカップの勝ち時計(20年1分50秒58、21年1分49秒59、22年1分50秒52、いずれも良馬場)が示すように時計がかかる。その分、脚元に優しい。芝は1周約1800メートルで幅員21メートル、直線338メートル。ダートと同じく乾燥を防ぐために頻繁に散水され、馬場状態は8段階で3番目に硬く、脚元に負担がかからない「Good to Firm」にコントロールされている。