【高松宮記念】ピクシーナイト尾張から再び天下獲りへ
2023年3月24日 05:30 【G1ドキュメント・栗東=23日】水曜夜は恒例の追い切りVTRを確認。新谷は21年スプリンターズSで◎を託したピクシーナイトがやっぱり気になった。最終追いは坂路併せ馬。陣営のジャッジをどうしても確かめたかった。調教が一段落したタイミングで音無厩舎へ。
厩舎に着くと、ピクシーナイトは蛭田助手とともに厩舎周りを運動。穏やかな表情で落ち着き十分。ボリュームのある体つきは、長期休養明けを感じさせない雰囲気だった。運動終了後、蛭田助手に気配を問うと「元々おとなしいけど、今朝も程よく気合が乗って気配は良かったです」と報告。当初復帰戦に予定していた阪急杯は歩様が乱れて回避したが、「骨に異常がなかったので10日ほど楽をさせて、すぐに乗り出せた。中間はしっかり乗り込んで、いい時計も出ている。追い切りを重ねるごとに、この馬らしい力強い動きが戻ってきました。体も太めなく仕上がっています」とうなずく。
07年皐月賞馬ヴィクトリーやG2・3勝リンカーンなどを手掛けた蛭田助手の言葉には重みがある。慎重なコメントだが、納得の仕上げ。新谷は力を出せる態勢が整っていると判断した。「常識的に厳しいレースになると思うが、元々能力が高い馬」とも。競馬に“たられば”は禁物だが、順調なら現在のスプリント界を背負っていたであろう超一級品の素質を秘めている。苦難を乗り越え、尾張の舞台で再びG1馬の輝きを取り戻す。