【天皇賞・春】タイトルホルダー 盤石防衛へ軽快ステップ披露!初京都も問題なし
2023年4月27日 05:30 王座防衛へ不安なし。春の最強ステイヤー決戦「第167回天皇賞・春」(30日、京都)の最終追い切りが26日、東西トレセンで行われた。昨年の優勝馬タイトルホルダー(牡5=栗田)は、主戦・横山和生(30)を背に、美浦Wコースで軽快な動きを披露。連覇へ万全の仕上がりをアピールした。同レースは27日、出走馬と枠順が確定する。
これが王者の余裕。タイトルホルダーの最終リハは、横山和が騎乗してWコースでの併せ馬。マンスール(3歳未勝利)を3馬身追走。しなやかにして迫力十分。直線はいつでも抜け出せる手応え。それでも最後まで鞍上の手綱は微動だにしない。持ったまま6F82秒7~1F12秒1で軽々と併入した。
強めに追われ6F80秒3~1F11秒2の猛時計をマークした1週前追いとは一転。“静”に徹した調整を、管理する栗田師は「輸送を控えているので、リズム重視で追い切りました」と説明。「我慢ができていた。疲れもないし、いい時の心身のバランス。充実しています」と確信に満ちた表情で続けた。2週続けて感触を確かめた横山和も「体の動かし方や気持ちの部分を確認できた。機嫌も良さそう」と納得顔だ。
阪神開催の昨年は7馬身差完勝。圧倒的パフォーマンスでファンに最強ステイヤーを印象づけた。続く宝塚記念では21年年度代表馬エフフォーリアなどの強豪をレコードで一蹴した。だが、秋は状況が一変。名実共に日本最強馬として挑んだフランスG1凱旋門賞では、大雨と欧州特有の馬場に泣き11着大敗。巻き返しを期した有馬記念でも、本来の走りは見られず9着に終わった。
海外帰りでテンションが高く、思うように攻め切れなかった。陣営は有馬の敗因を冷静に分析し立て直しを図った。迎えた今年初戦の日経賞は8馬身差の圧勝劇。「スタートしてからの1完歩目で“らしさ”が戻ってきたのを実感できた。有馬記念ではなかなかない負け方をしていたので、本当に安心しましたね」。本来の姿を取り戻したタイトルホルダーに、横山和も改めて愛馬への信頼を揺るぎないものにした。
昨年Vを含むG1・3勝の阪神から、舞台は新装された京都競馬場に移る。初の淀の坂越えに挑むが、誰よりもタイトルホルダーの強さを信じる横山和は動じない。「みんな条件は同じ。それを乗り越えられた馬が勝利を手にする。いつも通り呼吸を合わせて、この馬らしさを見せられるように頑張りたい」。史上6頭目のレース連覇。そして史上4頭目の異なる競馬場での同一G1連覇へ。人馬一体で偉業を成し遂げる。