【ヴィクトリアM】“女優の風格”ソダシ 府中の主演は譲れない絶品11秒9!須貝師「言うことない」

2023年5月11日 05:30

酒井学が騎乗し(レースはD.レーン)、坂路で躍動したソダシ

 ヒロインの座は譲らない!春の古馬女王決定戦「第18回ヴィクトリアマイル」の追い切りが10日、東西トレセンで行われ、連覇を狙う白毛のG1・3勝馬ソダシが栗東坂路で力強い脚さばきを披露。昨秋のマイルCS3着から半年ぶりの直行ローテで、時間をかけて乗り込んできた。アイドルから女優へ。ひと皮むけた走りでファンを魅了する。同レースは11日に出走馬が確定、枠順は12日に発表される。 

 史上3頭目の連覇へ。ソダシが坂路で白毛の馬体を躍動させ、絶品の動きを見せた。昨年のマイルCS3着以来、約半年の休み明けを感じさせず、締まった体で戦闘モードに入っているようだ。酒井(レースはレーン)が稽古をつけ、最初の1F(200メートル)を14秒5、2F目が13秒6とゆったりした入りでラップを刻み、ラスト2Fで12秒5→11秒9とグイグイ伸びた。全体時計の4F52秒5も予定通り。須貝師は「言うことない。無理せず引っ張ったままで、あの時計。追ったらもっと出ると思うけど、そんなに追う必要はない。先週も時計を出しているし十分。よほど今は具合がいいんだと思う」と満足げに切り出した。

 1週前追いはCWコース自己ベストとなる6F78秒8の猛時計。ユティタム(3歳オープン)に首差遅れたものの、あれが刺激になったようで一段と素軽さを増した。3月9日に放牧先から帰厩し乗り込んできたが、指揮官は「早めにスイッチを入れると消耗してしまう」と説明。慎重に調整してきた。5歳になり、ひときわ成長を感じるのは精神面だ。「物音に敏感で暴れたりしていたけど、今は少々のことで暴れることはない」と以前との違いを強調する。「アイドルと言われてきた2、3歳の時と違って、この年で立派な女優さんになったと思う」と頼もしげに見つめた。

 フェブラリーS3着からの臨戦だった昨年は道中4番手から抜け出し、2馬身差の快勝だった。「ワンターンなのがいいんじゃないかな」と東京マイルのコース形態を歓迎。今季はここから安田記念(6月4日、東京)とこの舞台で2戦を予定している。昨年と異なる直行ローテについては「ヴィクトリアマイルの前に1戦するとなると春3戦で、馬の負担が大きくなってしまう。間隔を空けたことがいい方に出ると思う」と説明した。

 レーンとの新コンビ結成で注目を集める。「世界で活躍する一流ジョッキーだからね」と全幅の信頼を置く。レーンは2週前追い(CWコース6F81秒0~1F11秒6)に騎乗し、感触をチェック済み。須貝師は「ベリーグッドという言葉を頂いた。素直に、感じたままに乗ってもらいたい」と鞍上に託した。「ファンが多い馬だし、まずはここに全力投球。無事に走ってくれて、なおかつ結果が良ければいいなと思う」。2歳から4年連続G1制覇となれば牝馬ではメジロドーベル、ウオッカ、ブエナビスタに次ぐ偉業だ。アイドルから女優への転換期。白毛のヒロインが今年も府中のターフで主演を務める。

 《半弟カルパもじっくり》ソダシの半弟カルパ(牡2、父モーリス)も同じく須貝厩舎に在籍。既に栗東に入厩し、調整を進めている。10日は坂路併せ馬で4F53秒9~1F13秒4。姉同様、白毛で存在感がある。現在、カルパも今浪厩務員が担当し「センスがいい。前向きでゲートも速い」と好評価。須貝師は「ソダシよりおとなしい。体重が420キロ(ソダシの新馬戦は472キロ)しかないから、いったん北海道に戻して調整します」とじっくり育てていく方針。馬名はサンスクリット語で、ヒンズー教の宇宙の存続期間のことだ。

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