【オークス】サンデーR・吉田俊介代表 リバティアイランドは「距離延びていいタイプ」

2023年5月17日 05:30

サンデーレーシング・吉田俊介氏(撮影・村上大輔)

 G1出走関係者に迫る企画「時の人」。今回は、オークスにリバティアイランド、コナコーストの2頭を送り出す、サンデーレーシングの吉田俊介代表(49)にスポットを当てる。数々の名馬と接してきた吉田氏。桜花賞1、2着だった愛馬の強さの秘密と、12年ジェンティルドンナ以来となる11年ぶりVへの意気込みを聞いた。 

 ――桜花賞はリバティアイランドの完勝でした。
 「1番人気でどういう競馬をするかなと見ていましたが、阪神JF以来の久々の競馬で、少しおとなしいところがありましたね。ゲートで出遅れたあと、川田騎手が促してくれましたが、出ていけませんでした。位置取りが後ろになってしまい、正直どうなっちゃうのかな、と思いました。直線に向いた時は、もうだめかなと。でも、直線だけで勝った。本当に凄い馬だなと思いました」

 ――コナコーストは好位から2着。
 「ジョッキーもうまく乗ってくれましたね。プラン通りの競馬だったんじゃないでしょうか。1カ月に1レース使うローテになって、桜花賞が今年3戦目。楽な過程ではなかったですけど、その中で厩舎もいい仕上げをしてくれましたし、馬も成長してくれました。チューリップ賞も2着と惜しい競馬だったので期待はしていました」

 ――リバティアイランドのデビューまでを振り返ってください。
 「最初に見たときから、いい馬だな、という印象です。川田騎手、中内田師も期待していた馬。やや早めの2月2日生まれにしては、幼いところがありましたが、調教ではかなりいい動きをしていたので、夏場の早い時期にデビューになりました」

 ――迎えた7月の新馬戦。上がり3F31秒4と驚異的な脚で楽勝だった。
 「時計が速くなる馬場で、頭数も多く、ペースも緩かった。そういう厳しい状況で、上がりだけで差し切れた。素質、能力を改めて実感しました。疲労だけが心配でしたね」

 ――2戦目はアルテミスSを選択。
 「前が空かなくて2着にはなりましたが、内容のあるレースでした。かかっていくところ、張り切って走るところがあるし、体のアンバランスさもある中で、川田騎手はあえて馬群の中に入れて成長を促した。ああいう競馬をしたからこそ、阪神JFの勝利につながったんだと思います」

 ――桜花賞完勝後、ファンの中ではダービー出走もささやかれていたが。
 「桜花賞を勝った瞬間、予定通りオークスに行くと決めていました。そういう話が出て、ファンからの期待は感じました」

 ――オークスは2400メートル。距離延長はどうか。
 「この馬は距離が延びていいタイプだと思っています。阪神JFの段階では、マイルがベストという意見もありましたけど、普段からこの馬を扱っている人の話を聞くと、長い距離のほうがいいと。追走が楽になりそうですしね。我慢をさせる調教をしてくれており、メンタル面も成長してくれています。桜花賞を叩いて、反応は良くなってくれると思います」

 ――オークス制覇なら、サンデーRとしては12年ジェンティルドンナ以来。
 「あの馬は本当に強かったですよね。翌週のダービーより時計は速かった。距離を不安視されて、桜花賞馬なのに3番人気。でも、この馬の高い能力は確信していたので、勝つと信じていました」

 ――レース選択をする上でのポイントは。
 「矛盾しているかもしれませんが、いい状態でたくさん出走させることですかね。2歳、3歳といった時期には、成長を促しながらレースを選びます。質、量、成長。どれかに偏ってはいけないと思っています」

 ◇吉田 俊介(よしだ・しゅんすけ)1974年(昭49)4月13日生まれ、北海道出身の49歳。慶大卒。98年ノーザンファーム入社。同ファーム空港牧場場長を経て、現在は同ファーム副代表。サンデーレーシングの代表取締役も兼務する。父はノーザンファーム代表の吉田勝己氏。趣味は乗馬。

特集

2023年5月17日のニュース