【オークス】ラヴェル距離克服へ“秘密兵器”

2023年5月17日 05:28

坂路を駆け上がるラヴェル(撮影・亀井直樹) 

 【G1ドキュメント・栗東=16日】桜花賞馬リバティアイランドの1強ムードが漂うオークス。トレセンで取材中も「あの馬は強いわ」という言葉が方々から返ってきた。死角はないのか、刺客はいないのか。新谷は2歳女王に唯一土をつけたラヴェルが気になる。調教終わりで矢作厩舎へ向かった。

 今年初戦の桜花賞11着。敗れはしたが、収穫の多いレースだったと担当の福岡助手は話す。「課題のスタートも無難に決めてくれたし、道中の折り合いもスムーズについていました」と振り返る。桜花賞から4F延長。3歳牝馬には過酷な条件だが、福岡助手は「デビュー前の調教からバネがあって、乗り味は凄く良かった。長めの距離が合いそうなタイプだと思っていました」と手応えを口にする。距離克服への鍵は折り合い。桜花賞で進境は見せたものの、陣営は試行錯誤を重ねながら慎重に調整を進めてきた。中間はハミをチェリーローラービット(かむ部分が回転することで遊びが出る)に替えた。福岡助手は「調教では力みが軽減されて、効果はあります」と証言。続けて「中間は坂路主体の調整に変更しましたが、弾むような走りでしっかり動けています」と出来の良さを伝えた。

 昨年10月のアルテミスSで重賞初V。道中9番手からリバティアイランドを上回る上がり3F最速33秒0の決め手で外から一気に差し切った。「この馬の良さは瞬発力。それを生かせる舞台だと思うし、奇麗な馬場で走らせてあげたいです」。舞台は同じ府中。当時の再現を狙う。

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