【ユニコーンS】ペリエール3馬身差圧勝 ルメール破顔一笑「強いね~、この馬」

2023年6月19日 05:30

<ユニコーンS>レースを制したペリエール(右)=撮影・郡司 修

 3歳ダート重賞「第28回ユニコーンS」が18日、東京競馬場で行われた。早めに好位で進出した1番人気ペリエールが3馬身差圧勝で重賞初V。UAEダービー(4着)から帰国初戦のハンデも乗り越え、秋の飛躍につなげた。

 1番人気ペリエールが堂々の横綱相撲。向正面では馬群をスイスイ進出し、直線入り口で早々と3番手。残り1F手前で前をあっさり抜き去り、後続は自然と離れた。3馬身差で重賞初V。勝ち時計1分35秒0はレース史上歴代3位タイ。

 「強いね~、この馬」。引き揚げてきた初コンビのルメールは、破顔一笑で黒岩師にV報告した。前走・UAEダービー(4着)では優勝したデルマソトガケに騎乗しており、ペリエールの性格や特徴も把握済みだ。

 「彼のレースはよく見ていて、乗りやすい馬だと思っていました。本当に能力を見せてくれました。海外の経験は、彼にはいいポイントになりました」

 何度も乗っているかのような縦横無尽の立ち回り。「スタートからスピードが出て、3、4番手でいい折り合い。普段は長く脚を使って伸びますけど、今回は反応がとても速かった」と賛辞の言葉を並べた。

 黒岩師は「遠征帰りで気になる面はあったが、スタートを切った後は安心して見られた」と穏やかに切り出した。ドバイでは検疫でナーバスになり体を減らした。この日の472キロは、遠征前の2月ヒヤシンスS(1着)の476キロには戻らず。それでも指揮官は「これでもドバイの時より増えてました。数字はそう変わっていませんが、ジョッキーも“力強い馬”と言ってくれたし成長しているんだと思う」と帰国初戦のハンデを乗り越えた愛馬を称えた。

 カネヒキリ、ゴールドドリーム、カフェファラオと砂の名馬が勝ち上がってきた出世レース。来年からJRA馬も参加可能の東京ダービーの前哨戦に位置付けられ、時期が早まることが決まっている。

 指揮官は「1600メートルまでがベスト。ドバイも含め今年3回使ったので、古馬と戦うことになる秋に備え、夏は休ませます」とご褒美の夏休みを明言すれば、鞍上は「彼はG1レベルで頑張ってくれると思う」とさらなる進撃を約束した。

 タレント豊富な現3歳のダート界に新たに出現した砂王者候補。節目のユニコーンSを圧勝したペリエールには輝かしい未来が待っている。

 ◆ペリエール 父ヘニーヒューズ 母ソフトライム(母の父フジキセキ)20年2月13日生まれ 牡3歳 美浦・黒岩厩舎所属 馬主・長谷川祐司氏 生産者・北海道新ひだか町のチャンピオンズファーム 戦績6戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金8950万4200円(戦績、賞金とも地方、海外含む) 馬名の由来はフランスの地名。

 【ユニコーンSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 ルメールは15年ノンコノユメ以来、通算2勝目。JRA重賞は今年8勝目で通算137勝。黒岩師は22年アルゼンチン共和国(ブレークアップ)以来、通算5勝目。

 ☆種牡馬 ヘニーヒューズ産駒は19年ワイドファラオ以来、通算2勝目。JRA重賞は22年エルムS(フルデプスリーダー)以来、通算11勝目。

 ☆1番人気 20年カフェファラオ以来、通算11勝目。

 ☆帰国初戦 海外遠征明けの馬は8頭目の出走で初勝利。 

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