【マーメイドS】キセキの全妹ビッグリボン重賞初V 9年ぶり1番人気が制した

2023年6月19日 05:20

<阪神11RマーメイドS>ビッグリボンが1着でゴール、2着はウインマイティー(撮影・井垣 忠夫)

 阪神の牝馬G3「第28回マーメイドS」も1番人気ビッグリボンが重賞初V。荒れることで定評のあるハンデ重賞だが、14年ディアデラマドレ以来、実に9年ぶり1番人気の優勝となった。

 やっとの思いでビッグリボンが初タイトルにたどり着いた。

 先陣争いが激しくなり、前半1000メートルは57秒3の超ハイペース。後方のインから徐々に位置を押し上げていく。中団馬群で迎えた直線。前がパッと空くと左ステッキが飛ぶ。そこから外から猛追するウインマイティーと2頭の世界。最後は3/4馬身抜け出し、重賞初Vのゴールを駆け抜けた。西村淳は安堵(あんど)の思いをにじませた。

 「ここ2走は僕がうまく乗れませんでした。何とか結果を出したいという気持ちでいっぱいでしたね。凄く乗りやすい馬で、コンタクトは取りやすかったです。まだここで終わるような馬ではないと思うので、さらに大きいところで頑張りたいです」

 コンビを組んで【3・1・1・0】なのだから、やはり手は合う。自身にとっては今年のダイヤモンドS(ミクソロジー)に続く重賞4勝目。その間に重賞2着が4回あった。「最近重賞で2着が多かったですし、自分との闘いでした」と振り返った。

 東京でレースを見届けた中内田師は「特殊な展開の中、ジョッキーがうまく乗ってくれました。それに応えた馬も頑張ってくれたと思います。今後についてはこれから考えます」と愛馬を称えた。

 全兄に17年菊花賞馬キセキがいるブラッドライン。期待は大きかった。3歳の頃は順調さを欠いたこともあり、ゆっくりと成長を待った。トレーナーは「馬の成長が追いついてきて、本来の力を発揮できるようになってきました。ようやく順調に来たので、あとひと押しがあれば」と手応えを感じ取っていた。

 荒れるハンデ重賞のイメージが定着、1番人気の優勝は14年ディアデラマドレ以来。同馬はその後に重賞2勝、エリザベス女王杯3着と存在感を見せた。キャリアは10走、この馬もまだまだ強くなる。<誰よりも大きな結果を結べるように>と名付けられた5歳牝馬がまばゆい未来へ向かって羽ばたいていく。

 ◆ビッグリボン 父ルーラーシップ 母ブリッツフィナーレ(母の父ディープインパクト)18年3月5日生まれ 牝5歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・石川達絵氏 生産者・北海道日高町の下河辺牧場 戦績10戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億1689万2000円 馬名の由来は誰よりも大きな結果を結べるように。

 【マーメイドSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 西村淳はダイヤモンドS(ミクソロジー)に続き、今年JRA重賞2勝目で通算4勝目。中内田師はオークス(リバティアイランド)に続き、今年5勝目で通算35勝目。

 ☆種牡馬 ルーラーシップ産駒はきさらぎ賞(フリームファクシ)に続き、今年JRA重賞2勝目で通算27勝目。

 ☆1番人気 14年ディアデラマドレ以来、9年ぶり7勝目。

 ☆ハンデ 55キロの勝利は17年マキシマムドパリ以来、6年ぶり3頭目。トップハンデは13年マルセリーナ(56キロ)しか勝ち星がなく、今年はウインマイティーが2着に敗れた。

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