【ラジオNIKKEI賞】良血バルサムノート切れ極上!坂路ラスト1Fトップタイ11秒6

2023年6月29日 05:23

坂路で追い切るバルサムノート(撮影・亀井直樹)

 3歳ハンデ重賞「第72回ラジオNIKKEI賞」は28日、出走予定馬が東西トレセンで追い切り、抜群の動きを見せたのが良血バルサムノートだ。栗東坂路でラスト1F11秒6。この日、トップタイの数字を馬なりで叩き出した。管理する高野友和師(47)は地元・福島で重賞制覇を狙う。

 燃えたぎる闘志をグッと抑えた。バルサムノートは坂路単走で最終追い。最初の1Fを15秒1で入り、折り合い重視。残り2F、手綱を持ったまま馬なりで加速すると馬場の真ん中を軽快に駆け上がり、全体時計を4F54秒2にまとめた。ラスト1F11秒6は自己ベスト。28日の坂路でトップタイの数字だった。高野師は「時計ではなく、人間との整合性を求めました。口向きは問題なかったし動きも良かった」と納得の表情を浮かべる。

 重賞2勝の母エピセアロームは3歳秋の12年セントウルS1着でロードカナロアを負かした実績馬。血統的にデビュー前から厩舎の期待は大きかった。昨年8月に小倉芝1800メートルで新馬勝ち。昇級後は5、2、3着と善戦止まりだったが格上挑戦で挑んだ前走・白百合Sは道中6番手で脚をため、馬群の外を回して直線に入ると内にモタれながらも上がり3F33秒6とメンバー最速の脚で先行勢を捉えた。高野師は「馬の地力と騎手(西村淳)の執念で勝つことができた。レースは見ての通り。モタれ癖は左右の肉体のバランスが違うことが多いけど、この馬はメンタルの問題であると感じた」と分析する。

 1週前追いが坂路4F54秒1~1F11秒8、25日の日曜追いが4F56秒9~1F12秒3。あえて全体時計を抑え、馬の気持ちづくりに徹した。「中間は折り合い面を重視して穏やかに走れている。馬具は替えず、いつも通り。パワー、馬格があるので(ハンデ)57キロは大丈夫だし上手に走れれば」と期待を寄せた。

 福島県出身の高野師は11年に厩舎を開業し、14年秋華賞(ショウナンパンドラ)でG1初制覇を飾った。他にも21年大阪杯(レイパパレ)、22年秋華賞(スタニングローズ)などJRA重賞22勝を挙げるトップトレーナーだが福島の重賞は過去6戦で14年ラジオNIKKEI賞の5着ラディウスが最高着順。意外にも縁がない。7度目の挑戦で地元Vへ、熱い気持ちを本番にぶつける。

 《トップハンデ苦戦》レース名が「ラジオたんぱ賞」だった05年まで負担重量が別定で、06年に現在のレース名となり、ハンデ戦に変更された。トップハンデは【2・2・0・23】と苦戦を強いられている。今年はバルサムノートがトップハンデの57キロ。最大6キロ差をはね返せるかどうか。勝てば15年アンビシャス、18年メイショウテッコン以来、5年ぶりのトップハンデVとなる。

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