【ラジオNIKKEI賞】レーベンスティール 令和のテイオーステップ!直線軽快11秒4

2023年6月30日 05:30

ウッドチップコースで追い切るレーベンスティール(撮影・郡司修)

 3歳ハンデ重賞「第72回ラジオNIKKEI賞」で唯一、木曜追いを行ったのがレーベンスティール。G1・4勝トウカイテイオーの孫は、美浦Wコースでソフトな最終仕上げながら、軽快なステップを踏んで動きの端々から能力の高さが伝わる。重賞初挑戦で初Vの可能性も十分だ。

 その身には希代のスターホースの血が流れている。レーベンスティールの母父は、91年ダービー、93年有馬記念などG1・4勝のトウカイテイオー。目を引く流星、端正な顔つきは祖父の生き写しのようだ。田中博師も「初めて見た時に“あ、これはトウカイテイオーぽいな”と思った。目つき、顔つきがりりしくて、凄くかっこいい馬ですね」と穏やかに笑った。

 ラジオNIKKEI賞組で唯一の木曜追い。Wコースでセイルオンセイラー(4歳3勝クラス)の2馬身ほど後ろをリズム良く追走した。先週末にしっかりやっているため、あくまで無理のないメニュー。それでも手応えはうなっている。直線で一気に加速すると、内から鋭く併入。時計は5F69秒4~1F11秒4をマークした。「今日はリズムと反応の確認をして整える程度。予定通りの調整ができました」と納得の表情を浮かべた。

 デビュー7連勝を挙げた祖父のような完成度はまだない。「体質が弱く疲れがたまりやすい。どうしてもそういう面と付き合いながらやっていかないといけない中で、踏み込んだ調教はまだできていない」と正直に明かす。それだけに際立つのが、オール連対のキャリア4戦で見せたポテンシャル。「能力があるのは確か。今回はこの馬比較の中ではまずまずの状態で送り出せるのかなと思います」と前向きだ。

 2戦ぶりにコンビを組む戸崎も非凡な才能を感じ取っている。「行きっぷりが良くて競馬を組み立てやすいので福島も問題ないはず。パフォーマンスを見る限り上位だと思うので、初重賞だけど結果にこだわりたい」と力強い。キャリア5戦目の初重賞(91年皐月賞)を制し、一気にスター街道を歩み始めたトウカイテイオー。みちのくのG3戦を手にした先に、うっすらと見える偉大な祖父の背を目指し、地の果てまでも駆けていく。

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