フジコチャン 秋にでっかい“お宝”取れるか

2023年6月30日 05:00

優駿スプリントを制したフジコチャン

 【大いに気になる】大井に将来性豊かなスプリンターが誕生した。それが27日の「第13回優駿スプリント」で重賞初制覇を飾ったフジコチャン(牝3)。荒山師に約1年8カ月ぶりのタイトルをもたらしたが、その陰にはレース前に行った“秘策”が奏功していた。

 「変な馬」と同師が評する特徴は、レース当日の輸送や装鞍所ではイレ込まないが、パドックを出た辺りからテンションが上がり、返し馬では制御できないほどになってしまう。俗に言う「イレ込み」が急激に起きるタイプ。「イレ込む馬は大抵、輸送からテンションが上がるものだが、この馬は急に来る」(同師)という。それがモロに出たのが桜花賞(8着)だった。

 陣営は「馬が近くにいるのが嫌なんだろう」という仮説から、立てた作戦はパドックでは前の馬と離して周回し、騎手は馬場入り直前にまたがらせるというもの。返し馬の後も他の馬と一緒に周回せず離れて待機しゲートインした。結果、直線3番手から抜け出し、後続を1馬身完封した。

 今後は北海道に放牧に出して夏場は休養に充てることになった。秋の第1目標は11月1日に園田で行われる重賞の「楠賞」(1400メートル)。「秋に使うころにはA2(クラス)になるので地元で1戦して向かいたい」と荒山師。半兄に重賞5勝、フェブラリーS2着の実績を持つテイエムサウスダンを持つ良血も後押し。休養を挟んで、さらなる馬体と気性の成長が加われば“大化け”しても驚けない。

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