ゴールドシップ、ソダシを手がけた今浪厩務員が最後のトレセン勤務 今後はカルパ現地応援も

2023年6月30日 18:05

6月30日が最後の栗東トレセン勤務となった今浪厩務員(撮影・坂田 高浩)

 ゴールドシップやソダシなどを手がけた須貝厩舎の今浪厩務員が30日、厩務員として最後の栗東トレセン勤務を終えた。定年となる65歳の誕生日まで続ける選択肢もあったが、担当馬との兼ね合い、自分の身体と向き合い、家族とも相談して決めた。7月は有給休暇を消化する。

 「もう厩舎に取材に来てもいないよ(笑い)。きょうの朝に厩舎のみんなにはこれからは俺が来なくても、出遅れ、って言って電話するなよって言った」と頬を緩めた。

 この日も7月1日の中京2Rに出走するオシゲ(牝3)やデビュー前のウェイトゥゴー(牝2)の世話役として朝と昼に普段通りの業務を行った。

 「馬と一緒に過ごしたのは49年、中央競馬に入ってから46年。本当長いわ…。有給休暇以外、毎日朝早く起きて仕事してずーっとやってきたからな。でも定年に近くなったら、もう定年かっという気持ちにもなった。今となったら長くも感じて短くも感じた」と厩務員生活をかみしめた。そして感慨深げに「(ゴールドシップやソダシと携われたのは)須貝先生のおかげ。こういった馬を預けてくれて、その期待に応えようと今まで一生懸命やってきた。周りのスタッフに助けてもらって、ここまでやれて、ここまで勝てたんだと思う」と感謝を語った。

 今後は応援する立場にかわる。7月9日の函館芝1800メートルに鞍上武豊でデビュー予定のソダシの半弟カルパ(牡、父モーリス)の応援にも行くという。そして8月には牧場にいるゴールドシップにも会いに行くつもりだ。「北海道の温泉地も回りたいね。今までは(行くなら)日帰り温泉とか、健康ランドだったから」と引退後の楽しみを口にした。

 ◇今浪 隆利(いまなみ・たかとし)1958年(昭33)9月20日生まれ、福岡県出身の64歳。名古屋競馬、北海道の優駿牧場での勤務を経てJRA厩務員に。栗東・内藤繁春、中尾正厩舎でキャリアを積み、シングルロマンの86年京阪杯で重賞初勝利。中尾厩舎の解散に伴い、09年に開業した須貝厩舎へ。ゴールドシップ(G16勝)、レッドリヴェール(13年阪神JF)などを担当し、JRA・G110勝。

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