コントレイル初年度産駒で5・2億!ノースヒルズ軍団が福永調教師へ“開業祝い”
2023年7月12日 05:30 ポスト・ディープインパクトへ、新しい時代の幕開けだ。日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2023」が11日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。2日目の当歳セリは新種牡馬コントレイル産駒に熱視線が注がれ、「コンヴィクション2の2023」(牡)には史上3位となる5億2000万円の値が付いた。落札したのは父を生産したノースヒルズで、父の主戦を務めた来春開業の福永祐一師(46)が管理する予定。なお、売り上げは2日間合計で史上最高の281億4500万円となった。(落札額は全て税抜き)
2日目の当歳セリもヒートアップ。火付け役となったのは、新種牡馬コントレイル産駒だった。上場番号360番「コンヴィクション2の2023」(牡)はリザーブ価格5000万円からスタートするとコールの応酬で一気に値が上がり、セレクトセール史上3位となる5億2000万円でハンマーが落ちた。
落札したのは父を生産したノースヒルズ。同代表の前田幸治氏は「福永調教師へ、僕からの最大の開業祝いです。予算は3億円くらいの予定だったけど引くに引けなくなった。セリの最中はあまり熱くならず平常心でした。福永師が見て、一番いい馬だと言っていた」と話した。現役時代に父の主戦を務めた福永技術調教師は「大変な重責。コントレイルらしい気品やバランスの良さがある。これから牧場と連携して競走馬として準備を整えていきたいです」と2世のデビューへ向け、胸を躍らせた。
上場番号329番「バイバイベイビーの2023」(牡)はコントレイルの馬主でもあった前田晋二氏が3億3000万円で落札。預託先は現役時代に父を手がけた矢作厩舎となる。前田幸治氏は「予算は2億円だったけど、いい馬だったからどうしても落としたかった。思い入れがあるので弟も喜んでくれていると思います」と晋二氏に代わってコメントした。近親に英ダービー馬サーペンタインがいる欧州血統。矢作師は「上場される産駒は全て見ました。その中でもこの馬が一番だと思った。祖母(リメンバーホエン)がヨーロッパの超一流の牝系。バランスが良くて顔もいい。産駒全体に言えるのは、いい意味で大きくなく、皮膚も薄い。柔らかさがあっていいバネをしています」と特徴を伝えた上で「オーナーとも相談をして、将来的には海外へ行きたい。母系を考えても凱旋門賞は挑戦したいと思います」と壮大な夢を思い描く。
この日は上場された20頭全てが落札され、1億超えが8頭。総額25億7200万円、平均落札額は1億2860万円に上った。ポスト・ディープへ、幸先いいスタートを切ったコントレイル。25年にデビューする子たちから父を超えるスター誕生が期待される。