【札幌記念】ウインマリリン 1年ぶりタッグの松岡が導く
2023年8月15日 05:30 夏の大一番「第59回札幌記念」(20日、札幌)は今年もG1馬3頭を含む豪華メンバーが集結。昨年3着と好走したのち、香港ヴァーズ圧勝でG1馬の仲間入りを果たしたウインマリリンは2年連続の出走。松岡正海(39)と丸1年ぶりのタッグ結成で、再びスーパーG2に挑む。
「マリリンを立て直して、秋にG1を勝たせることが僕の仕事」。昨夏の札幌、不振にあえいでいたウインマリリンの調教を付け終えた松岡がそう宣言した。他に騎乗馬がいたため、“本番”であるエリザベス女王杯ではコンビを組まないことが決まっていた。それでも、付きっきりで調教に乗った。札幌記念で約11カ月ぶりの馬券圏内となる3着。きっかけをつかんだマリリンはエリザベス女王杯2着後、海を渡った香港ヴァーズでG1初タイトルをつかんだ。
松岡といえば誰もが認めるウインの主戦だが、「いつクビになるか分からない。僕は必死」という。今夏も当週を含めれば3週連続で追い切りに乗る。「叩き良化型だが、休み明けの立ち上げとしては昨年よりいい。背中の緩さが気にならない。調整過程は去年つかめているし、使った後の上積みも見ている」。絶妙な加減でパートナーを仕上げている。
昨年の札幌記念はマリリンだけでなく、1着ジャックドールが大阪杯、2着パンサラッサがサウジCと、上位勢がそろって、のちにG1を制した。思い返せば、2年前の1着ソダシ、2着ラヴズオンリーユーも北の大地での充電と躍動をへて、大きく飛躍した。鞍上は「今年も秋に向けていいスタートを切られれば」と意気込む。
ドバイシーマクラシック(6着)以来の帰国初戦。矢嶋技術調教師は「北海道の水がおいしいのか、草がおいしいのか、よく食べている。去年と同じぐらいの体重になりそう」と現況を伝える。肘腫(ちゅうしゅ)も今は問題なく、乗り込みは十分。「舞台設定はいい。あの子は自在性があるし、先行して粘る形を持っているので。まだまだやれるということを証明してもらいたい」と締めくくった。実りの秋を見据え、今年もマリリンはG1級メンバーが顔をそろえたスーパーG2から始動する。(札幌取材班)