【北海道こぼれ話】荻野琢真も「めちゃめちゃいい」ウールデュボヌール、須貝厩舎の3週連続新馬戦Vに期待
2023年8月15日 16:45 先週から函館滞在中。仕事終わりに飲みに出かける機会が増え、つい調子に乗ってふらふらに。宿泊先にたどり着きいつの間にか寝てしまう。先日、変な寝相で首に負担がかかったのか、寝違えてしまい数日経っても痛みがなかなか引かない。それでも朝はやってくる。仕事モードに切り替われば関係ない。耳寄り情報を集めよう。
火曜朝は台風7号の本州縦断の影響により、競馬場にも雨雲が覆ってしばらくは一歩も動けなくなるほどの大雨だった。ただそんな時でも真摯(しんし)な姿勢で、競走馬と向き合う関係者には頭が下がる。火曜は当週の追い切り予定を聞くことが多いが、その時に騎乗者として名前が挙がることが多いのが函館滞在中の騎手・荻野琢真だ。先週水曜には13頭もの稽古にまたがった。札幌開催中で函館に残る騎手が少ないことを踏まえても「琢真を確保した」「琢真に乗ってもらう」という関係者の声を何度も聞くといかに頼りにされているのかが分かる。
荻野琢に取材すると「いろいろな馬に乗れるのは、自分の引き出しが増えますし、いい馬の背中を知れる機会でもありますしね」と前向きに語った上で「やっぱり競馬で乗るのが一番ですよ。これが(レースでの)騎乗馬につながった時に結果を出せるように」と続けた。ハキハキ答えてくれる姿勢は取材していても気持ちがいい。純粋に応援したくなる。
取材を進める中で話題に上がったのが、今週20日の札幌5R(芝2000メートル)に川田とのコンビでデビュー予定のウールデュボヌール(牡=須貝、父キタサンブラック)だ。須貝厩舎の3週連続新馬戦Vの期待がかかる。先々週のガイアメンテ、先週のレアリゼアンレーヴにも戦前に稽古をつけていた荻野琢が「めちゃめちゃいいと思います」ときっぱり。2週連続で追い切りにまたがり「先週(9日)はそれまでと比べてグンと良くなりました。雰囲気がいいですし、奥がありそうです」と絶賛した。
その話を聞いて厩舎地区へ。現在稽古をつけているのはガイアメンテを担当する山田助手だ。もともとは6月の阪神開催でのデビューを予定していたが「ジョッキー(川田)のジャッジもあってスライドという形になりました」。それ以降は放牧を挟んで先月中旬に函館入り。調教を進めるごとに良化をたどり「あれがいい期間になったようで、前進気勢が出てきて明らかに良くなっています」と笑みがこぼれた。当日の体重はおそらく470キロ後半とのこと。「ある程度自信を持って挑めます。ガイアメンテとはタイプが違いますけど、長くいい脚を使えそう」とVを意識していた。またも大物候補出現か。須貝厩舎は先週4勝の固め勝ち。この勢いに乗らない手はない。(坂田 高浩)