【新潟記念】サリエラ負けられない一戦!重賞初制覇へルメールがエスコート
2023年8月30日 05:30 国枝厩舎の素質馬が念願重賞初制覇へ。今週の新潟メイン「第59回新潟記念」で注目を浴びるのが、5戦3勝のサリエラ(牝4、父ディープインパクト)だ。昨年のローズS2着、今年の目黒記念3着と重賞ではあと一歩の競馬。秋の大舞台へここは負けられない一戦だ。「推しの馬」では国枝栄師(68)への取材を通して、3つの角度から推しポイントを挙げた。
サリエラは18日に福島のノーザンファーム天栄から新潟競馬場に直接入厩。滞在で調整を続けているがその利点は厩舎の設備にあると国枝師は話す。「美浦トレセンのうちの厩舎ではミストはつけて暑さ対策をしているけど、新潟競馬場は馬房にエアコンがついているからね。快適に過ごせているみたいよ」。今年の夏は“酷暑”。小柄な牝馬であるサリエラにとって暑さは大敵だ。「いかにアスリートがベストな状態でパフォーマンスを発揮できるかが大切だからね。先週日曜の動きも良かったみたいだよ。レース前の輸送もないし、馬体重は前回(430キロ)よりプラスで出せそうだね」。“馬優先主義”を貫く名伯楽ゆえの秘策だ。
ここまでわずか5戦。体質の問題もあるだろうが、あえて数を使わず成長を促してきた。それは厩舎の代表馬アーモンドアイと同じ。2歳夏から5歳秋まで走ったが15戦と少なかった。「アーモンドアイを除けば、サリエラは今まで管理した馬の中でも素質はかなり上だからね。そういう牝馬は追い込まないように調整していくことが大事だよ」と国枝師はその意図を説明。「まだ力強さが欲しいところはあるけど牝馬だしね。間を空けて使ってきたから、まだまだ伸びる余地がある。来年は凱旋門賞とまでは言わないけど大きな舞台を走ってほしい馬だから、ここは勝ってもらわないと」。名牝流育成でメキメキ力をつけている。
鞍上のルメールは過去3年、新潟芝2000メートルは【4・1・0・3】の勝率50%、単勝回収率170%と目を見張る成績。国枝師とのタッグも好成績で、芝に限れば勝率31.5%、連対率51.7%、複勝率62.4%。堅実に結果を残している。2走前・白富士Sを勝利した際には「重賞もノープロブレム(問題ない)だよ」と能力を絶賛していた。ここまで5戦中4戦で上がり3F最速の脚を使い、非凡な素質を見せてきたサリエラ。仏の名手がエスコートし、初タイトルをもたらす。