【マイルCS】ソーヴァリアント “高根の花男くん”射止める舞台は整った!池添がエスコート

2023年11月15日 05:30

ソーヴァリアント

 今週末は「第40回マイルチャンピオンシップ」(19日)。最強マイラー決定戦が4年ぶりに京都競馬場で行われる。秋のG1新企画「馬(バ)チェラー」では前線記者が買いたい馬の魅力をアピールして「真実の馬券」に迫る。美浦トレセンでは田井秀一が未完の大器ソーヴァリアントを猛プッシュ。5歳秋を迎えてマイル転向に踏み切った冒険的挑戦の勝算を陣営に聞いた。

 えっ?こんなオッズで買っていいんですか!?今週末、そんな思いをさせてくれそうなのが、馬券愛好家にとって高根の花だったソーヴァリアント。15戦で単勝1倍台が6回。これは現役馬で4番目に多い。強いのは分かっているけど…と馬券を見送った経験があるファンも多いのでは。

 転機の5歳秋。デビュー以来、徹底して中距離を使われ続けてきたが、陣営はマイラー転向を決断。大竹師の弁によれば勝算と裏付けは3つにまとまる。

 <1>天性
 母ソーマジックが08年桜花賞3着。半姉マジックキャッスルが21年ヴィクトリアマイルで3着。母娘がマイルG1で好走。ソーヴァリアントも迫力十分の馬体はマイラー寄り。近8年の勝ち馬の体重はいずれも480~510キロ台。500キロ前後での出走が続く同馬も馬力では負けない。

 <2>爆発力
 3歳夏、ソーヴァリアントは札幌(利尻特別)で2勝目を挙げた。上がり3F33秒0は当時の札幌芝コース新記録。札幌芝2000メートルで33秒5以下をマークしたのは06年札幌記念を勝ったアドマイヤムーン(33秒5)以来15年ぶり。

 大竹師「あれだけの爆発力はマイルの一線級相手にも劣らないのでは」

 <3>前進気勢
 中距離で挙げた全5勝の4角順位は「1、1、1、2、3」。先行して早め先頭から押し切る勝ちパターン。
 大竹師「これまでは前に行くのをなだめる感じだったので、マイルの速い流れに対応できるのではないか。騎手も乗りやすいはず。クリストフ(ルメール)も“短い距離が合っている”と言っていた」

 重賞は10度目の出走だが、骨折や心房細動など不運が重なり、G1の大舞台にたどり着いたのは初めて。「前走後はほぼダメージなく帰ってきて、さらに調教負荷を上げられている。馬もそれに応えて、前走よりいい状態で臨める」と大竹師。人気落ちする高根の花が勝負駆け気配。絶好の狙い目だ。

 《富士S3着に手応え》ソーヴァリアントのマイラー転向が決まり、マイル初戦が前走の富士S(東京芝1600メートル)。結果は3着。初めて経験するマイルのペースに戸惑い、「思ったより後ろ(8番手)からの競馬になった」(池添)中での健闘。大竹師は「1度経験したことは大きいし、今度は最後にもうひと脚が使えると思う。走りは明らかに右回りの方が良いし、舞台も好転する」と確かな手応えをつかんでいる。

 《前走からコンビ池添「状態上がっている」》マイル転向のタイミングから鞍上を任された池添謙一(44)はマイルCS歴代最多の4勝(03、04年デュランダル、11年エイシンアポロン、19年インディチャンプ)。美浦トレセンに駆けつけ、調教に騎乗している仕事人は「1度使って素軽さが出てきた。状態は上がっている。左回りだと右に張るので、右回りの方がスムーズに走れる」と状態&条件の両面での上積みを強調する。大竹厩舎では18年有馬記念Vのブラストワンピースも池添が騎乗。大竹師は「相性がいいジョッキーなので楽しみ」と信頼を口にしている。 

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