【ステイヤーズS】アイアンバローズ 大逃げ重賞初制覇!石橋「体力を生かせるようなレースにしたかった」
2023年12月3日 05:18 師走の名物マラソンレース「第57回スポーツニッポン賞ステイヤーズS」が2日、開幕初日の中山競馬場で行われ、8番人気アイアンバローズ(牡6)が鮮やかに逃げ切り重賞初勝利。上村洋行師(50)は、阪神チャレンジCもベラジオオペラ(牡3)で制し、東西重賞ジャックとなった。
無尽蔵のスタミナで3度、ライバルをはね返した。2着に頑張った2年前同様、石橋を背にハナを狙ったアイアンバローズ。まずは1周目の3角手前、しつこく競りかけるアフリカンゴールドを突き放す。そこからじわじわとスピードを上げ、15馬身近い大逃げ態勢に入った。石橋は「遅いペースにはしたくなかった。この馬のペースで走りつつ、残れるところを考えながらの判断」と強気のレースメークを振り返った。
次は2周目の3角。再びアフリカン、後方から上がったセファーラジエルが早めに迫る。隠していたギアを上げ、4角で2頭をシャットアウト。しかし、すぐに中団~後方で脚をためた人気勢が襲いかかる。あまりに苦しい展開。それでも歯を食いしばって粘る人馬。死力を尽くして走り抜き、最後はテーオーロイヤルを2馬身半差で退け、堂々の逃げ切りだ。石橋は「そんなに速くはなかったと思いますが、体力を生かせるようなレースにしたかった」と満足そうに話した。
チャレンジCをベラジオオペラが快勝直後、阪神で会心のレースを見守った上村師は「まさかステイヤーズSまで勝つとは。やっぱりこれくらいの距離がいい」と東西重賞ダブル制覇を喜んだ。2度の天皇賞・春(5、13着)に、昨年の宝塚記念(15着)。強敵たちと渡り合った経験が、27戦目での初タイトルへと結実。次走は未定だが、石橋は「前から本当に体力がある馬だと感じていた。この先も頑張ってほしい」とエール。鍛え抜かれた“鉄の心臓”を武器に、平地最長3600メートルを逃げ切った人馬は誇らしげだった。
◆アイアンバローズ 父オルフェーヴル 母パレスルーマー(母の父ロイヤルアンセム)17年2月2日生まれ 牡6歳 栗東・上村厩舎所属 馬主・猪熊広次氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績27戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億1512万5000円 馬名の由来は鉄+冠名。
《スポニチ小菅社長が優勝目録を贈呈》スポニチ賞ステイヤーズSの表彰式ではスポーツニッポン新聞社・小菅洋人代表取締役社長から優勝馬アイアンバローズの関係者に優勝目録が贈られた。また、昼休みに「スポニチ賞ステイヤーズS大予想会」が行われ「えい!えい!オークス」でおなじみの井上オークスをゲストに、万哲こと小田哲也、仙波広雄両記者が予想を披露した。万哲オリジナルビスコが当たるキャンペーンとともに、予想会後には中山競馬場から「スポウマチューブ」のライブ配信も実施。高木翔平、鈴木智憲両記者と小菅社長も出演して、ステイヤーズSを盛り上げた。