【阪神JF】アスコリピチェーノ 無敗2歳女王 北村宏8年ぶりG1制覇「馬のおかげ。ホッとした」

2023年12月11日 05:30

<阪神 11R・阪神JF>直線で鮮やかに抜け出したアスコリピチェーノ(右) (撮影・後藤 大輝)

 無敗の2歳女王が誕生した。「第75回阪神JF」が10日、阪神競馬場で行われ、3番人気アスコリピチェーノが道中8番手から差し切り、デビュー3連勝でG1をものにした。鞍上の北村宏司(43)はキタサンブラックで制した15年菊花賞以来、4度目のG1制覇。管理する黒岩陽一師(42)は開業12年目にして、うれしいG1初制覇となった。

 持ち前の勝負根性をフルに発揮した。最後の直線、北村宏が手綱を取ったアスコリピチェーノがコラソンビートとビッシリ馬体を併せて急坂を駆け上がる。残り1Fでアスコリピチェーノがグイッと前に出たがゴール前、今度は内からステレンボッシュが接近。それでも譲らない。激しい追い比べを首差で制し、20年ソダシ以来、14頭目の無敗2歳女王に輝いた。北村宏は「いいコンディションで自信を持って臨めたし、勝ててホッとした。馬のおかげです。(レース後は馬上から)スタンドを見て、いい景色だな、と思った」と久々のG1美酒をかみしめる。

 北村宏はキタサンブラックで制した15年菊花賞以来、4度目のG1勝利。15年暮れに左膝関節捻挫、19年に頭部外傷、右側頭骨陥没骨折、21年右足骨折など度重なるケガを乗り越え、大舞台でタイトルをつかんだ。99年に藤沢和雄元調教師の下でデビュー。厩舎所属馬ダンスインザムードで06年ヴィクトリアマイルを制してG1初V。11年のフリー転向後も名伯楽のそばで学び、キャリアを積んだ。「前回のG1勝利から(今回の)間にもチャンスはあったんですが…」と自身の騎乗に満足することはないが「今日は勝てて良かった」と笑みを浮かべた。

 管理する黒岩師=写真=は21年阪神JFがラブリイユアアイズ、先月12日のエリザベス女王杯がルージュエヴァイユで2度の銀メダルと悔しい思いをしたが開業12年目、待望のG1初勝利を飾った。黒岩師は「とてもうれしい。この子の長所は長くいい脚を使える。先に前へ出てしまえば、最後に来られても、大丈夫だと信じていました」と振り返る。

 栗東で調整を進めた関東馬のワンツー。エリザベス女王杯を勝ったブレイディヴェーグに続いて、またも滞在馬が存在感を示した。長距離輸送のリスクを避けたことで中間、しっかり負荷をかけることができた。1週前追いは美浦から北村宏が駆けつけて、目いっぱいの併せ馬。陣営は自信を持って送り出した。指揮官は「2歳牝馬にしては落ち着きがある。デビュー前は食欲がなかったり、気持ちが高ぶったりするところがあったけどキャリアを積むごとに改善され、体力が備わったことで精神的にも余裕ができた。想像以上に成長している」と胸を張る。

 無傷で来年につないだ。春はもちろん牝馬3冠の桜花賞(4月7日、阪神)へ。「そこへ向けて、計画を立てながら進めます。成長した姿を見せることができると思うし、2歳女王の名に恥じないように、しっかり調整していく」。ぶっつけ本番か、前哨戦を経由か、再び栗東滞在か。具体的なプランは未定だが堂々と名牝の道を歩んでいく。

 アスコリピチェーノ 父ダイワメジャー 母アスコルティ(母の父デインヒルダンサー)21年2月24日生まれ 牝2歳 美浦・黒岩厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億493万6000円 馬名はイタリアの都市名

特集

2023年12月11日のニュース