【有馬記念】タイトルホルダー ラストタイトルは譲れない 岡田牧雄氏はG1の4勝目と種牡馬として期待

2023年12月18日 05:29

坂路で追い切るタイトルホルダー(撮影・郡司 修)

 24日の有馬記念に向けて、東西トレセンで出走馬が日曜追い。注目を集める一頭が同レースでラストランを迎えるタイトルホルダーだ。生産者の岡田スタツド代表・岡田牧雄氏(71)は現役時代の後悔も隠さず語るとともに、G14勝目と種牡馬としての大きな期待をにじませた。

 タイトルホルダーが現役最終戦を迎える。ポイントは競走中止となった天皇賞・春から休み明け2戦(オールカマー2着、ジャパンC5着)を叩かれた状態面。岡田氏は「最高に良かった時を知っているからこそ、そこは物足りなく思うところがあるけど、ここ2戦よりは確実に上向いた状態で挑めると思いますよ」と前を向いた。

 21年菊花賞でG1初勝利を飾り、22年は天皇賞・春を7馬身差V、宝塚記念はレコードで優勝。G13勝の実績は、今回のメンバーでも随一。ただ、輝かしいキャリアにも心残りはある。22年の凱旋門賞挑戦。宝塚記念圧勝後、高まる機運に背を押され、日本のエースとして海を渡った。苦手な長距離輸送、極度の道悪に苦しみながら、自身のスタイルで堂々と戦い抜いたが11着。「挑戦自体は素晴らしいことでしたが、この馬には悪いことをしたな、と。元々輸送が極端に苦手だった。もっと成長を促してあげれば、イクイノックスと肩を並べるような馬になれたんじゃないかという思いもあります」と明かした。

 それでも、大きな功績が色あせることはない。3歳春も弥生賞ディープインパクト記念を勝ったことで、参戦予定のなかったクラシック(皐月賞2着、ダービー6着)に挑戦。懸命にターフを駆けた姿をファンは忘れない。「引退後は種牡馬としての大切な仕事が待っています。ドゥラメンテの後継として、期待は大きい」。いつだって強気のストロングスタイルが身上。最後に強いタイトルホルダーを見せて、ターフに別れを告げたい。

 ◇岡田 牧雄(おかだ・まきお)1952年(昭27)5月14日生まれ、北海道出身の71歳。競走馬生産の岡田スタツド代表、種牡馬事業のレックススタッド代表。生産者としてマツリダゴッホ、スマートファルコン、サウンドトゥルー、スマートレイアー、タイトルホルダーなどを生産。実兄の繁幸氏(故人)はマイネルでおなじみのビッグレッドファーム元代表。

 

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