【有馬記念】“GPの鬼”池添が導くスルーセブン
2023年12月18日 05:28 過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す「G1データ王」。今回はスペシャル版「有馬記念データ王」として、暮れの大一番を徹底分析した。昨年は推奨したイクイノックスが快勝。データ班の結論は今年も父子制覇が懸かる、あの馬だ。
【性齢】
3着以内だった30頭のうち29頭が3~5歳馬。6歳以上で馬券に絡んだのは18年3着シュヴァルグラン(牡6)だけ。注目は若い3歳馬で勝率16.0%、連対率28.0%は年長馬を大きくリードしている。特に3番人気以内だった3歳馬は【4・1・0・3】の好成績、1番人気だった3歳馬は16年サトノダイヤモンド、21年エフフォーリア、22年イクイノックスと3戦3勝だ。今年は3歳馬3頭が出走予定、中でも上位人気必至のタスティエーラ&ソールオリエンスがV候補だ。また重量面で有利な牝馬の活躍も目が離せない。3勝&2着2回で勝率8.6%、連対率14.3%は牡&セン馬の5.6%、12.0%を上回っている。
【前走】
連対した20頭のうち18頭が国内外のG1組。3歳馬の活躍と関連し、菊花賞組の好走が目立つ。【2・2・2・7】で複勝率は46.2%。馬券に絡んだ6頭のうち4頭は菊花賞連対馬、残る2頭も菊花賞で1&2番人気に支持されていた。今年の菊花賞組のうち2着タスティエーラ、3着ソールオリエンス(1番人気)は好走条件をクリア。一方、出走頭数が最も多いジャパンC組は【2・2・4・44】で複勝率は15.4%と高くなく、近5年は連対ゼロ(3着も1頭のみ)。古馬G1組では天皇賞・秋組の方がトレンドだ。20年クロノジェネシス→21年エフフォーリア→22年イクイノックスと3連勝中。今年は天皇賞・秋2着ジャスティンパレスが参戦する。また前走・海外G1組も【2・1・2・5】と崩れておらず、凱旋門賞4着スルーセブンシーズ、米BC開催組のシャフリヤール&ウインマリリンは海外遠征帰りでも割り引く必要はない。
【実績】
芝2500メートルという特殊な距離設定。勝ち馬10頭には1800、2200、2500メートルいずれかの非根幹距離(=400メートルで割り切れない)で重賞制覇の実績があった。今年の皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラはこの実績を満たしていない点でV候補から脱落。また勝ち馬10頭は全て当該年に1勝以上していた。その年に未勝利のまま制したのは、05年ハーツクライが最後だ。
【騎手】
騎手別勝利数で歴代トップは4勝の池添(09年ドリームジャーニー、11&13年オルフェーヴル、18年ブラストワンピース)。鞍上は宝塚記念も3勝しており、ファン投票で出走馬が決まる“ドリームレース”に強い。今回コンビを組むスルーセブンシーズも今年の宝塚記念で2着にエスコート。さらに今年参戦する騎手ではルメールと武豊が3勝で続く。特にルメールは16年以降、毎年騎乗し【2・2・2・1】と安定感が光る。
【結論】
データ班のイチ推しは池添騎乗の5歳牝馬スルーセブンシーズ。今年の中山牝馬S(芝1800メートル)を勝ち、非根幹距離の重賞V実績をクリア。凱旋門賞4着からの臨戦もいい。父ドリームジャーニーは5歳時に出走した09年宝塚記念&有馬記念をダブル制覇。今の充実ぶりならビッグタイトルに手が届く。相手にはまず菊花賞組の3歳馬タスティエーラ&ソールオリエンスを挙げたい。今年の天皇賞・春勝ち馬ジャスティンパレスは近年苦戦の古馬牡馬だが、天皇賞・秋からの直行ローテは好材料。ジャパンCからのローテが割り引きもルメール騎乗の牝馬スターズオンアースも押さえる。(データ班)