【有馬記念】“グランプリ男”池添 最多勝譲らん!スルーセブンシーズで5勝目へ

2023年12月22日 05:18

15番に決まったスルーセブンシーズの池添(左)と尾関師 (撮影・西川祐介)

 歴代最多の有馬記念4勝を誇るグランプリ男。スルーセブンシーズに騎乗する池添は同馬の父ドリームジャーニーで09年に初勝利を飾ると11&13年はオルフェーヴル、18年にもブラストワンピースで勝っている。武豊とルメール、ペリエの3勝を上回る最多勝の座は譲れない。「クリストフ(ルメール)が迫ってきているから離さないとね(笑い)。並ばれたら言われなくなっちゃうんで」と再び突き放す意気込みだ。

 昨年はグランプリ1カ月前の落馬負傷(腰部の破裂骨折)で休養を強いられ、参戦できず。「正直、歯がゆいというか、また戻りたいと強く思いました」と再起を誓った。今年の騎乗馬がドリームジャーニー産駒なのも、実績が評価されてのことだろう。「依頼があって乗れるので、とても感謝しています。ジャーニーの子供もほとんどいない中、親子制覇というのは強く思っているので」と口元を引き締める。今年はここまでJRA25勝。勝ち星はデビュー26年目で最少のペースに落ち込んでいる。「ケガが言い訳になっちゃいますけど、本当にふがいない成績。有馬が終わったら去年、手術したところを抜釘(ばってい)するので、そこで今年は終わり。終わり良ければ全て良しとなればいいかなと思います」と大一番に懸ける思いを強調した。

 今回が2度目のコンビとなるスルーセブンシーズはテン乗りの宝塚記念で10番人気2着。今年の世界ランク1位をキープしているイクイノックスに首差まで迫った。「4角の進路が狭くなってしまい、そこで切り替えるロスがあったので、スムーズだったらもっと際どいレース。悔しい気持ちの方が強かった」と振り返る。あれはフロックではない。凱旋門賞でも4着と健闘し、充実ぶりが際立っている。「成長力が大きいですね。G1馬がたくさんいるけど今の勢いなら堂々と勝負に挑めると思います」と手応えをにじませた。

 中山は【4・1・2・0】と全て馬券絡み。今年の中山牝馬Sで重賞初Vを飾り、最も得意なコースだ。「あとは2500メートルという距離の部分。トリッキーなコースで並びに関してもそうだし、有馬はめちゃくちゃ枠が大事ですね」とポイントを挙げた。道中の進め方と相手関係、実際のレースの流れを見極め、勝負どころを逃さない。ここ一番の勝負強さが光る池添がこん身の手綱さばきでパートナーを戴冠に導く。

 ◇池添 謙一(いけぞえ・けんいち)1979年(昭54)7月23日生まれ、滋賀県出身の44歳。98年に栗東・鶴留明雄厩舎所属で騎手デビュー、同年北九州記念(トウショウオリオン)で重賞初騎乗V。11年にオルフェーヴルでクラシック3冠制覇。父・兼雄氏は元調教師、弟・学師は現役調教師。JRA通算1万4636戦1363勝、うちG127勝を含む重賞96勝。1メートル62、50キロ。血液型O。

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