内田×ゴールドシップ名コンビを生んだ12年有馬記念

2023年12月22日 05:18

12年の有馬記念を制したゴールドシップ

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、有馬記念が行われる。12年にこのレースを制したのがゴールドシップ(栗東・須貝尚介厩舎)だった。

 のちに横山典弘騎手とのコンビで14年宝塚記念や15年天皇賞・春を勝つステイゴールド産駒の彼と、3、4歳時にタッグを組んでいたのは内田博幸騎手。同騎手とは先述の有馬記念の他に12年皐月賞と菊花賞、そして13年宝塚記念も優勝したが、最初に手を組んで仕事をしたのはG3共同通信杯だった。

 当時、内田騎手は次のように語っていた。

 「2歳時に他のジョッキーで4戦していたので、当然、それらのレースは全てチェックしました。その結果、スタートがいまひとつで、少々難しい面のあるタイプだと感じました」

 同時に、能力の高さもうかがい知ることができたと続けた。

 「手応えが悪くなり“終わった?”と思えるようになってから、再度、伸びてくるので、うまく走らせてあげられれば、相当、走る力はあるのだと思いました」

 そこで、初コンビにもかかわらず、スタートから「多少、無理をしてでも好位を取りにいった」ところ、最後の直線では後のダービー馬ディープブリランテを悠々とかわし、先頭でゴール。後に数々の大レースを制す名コンビが誕生した。

 「後方から馬場の悪いインを突いて差し切った皐月賞や、3歳で勝った有馬記念など、ある程度、この馬を理解して乗れていたかな?と思いました。でも、のちのち結果を出せないレースも増えて、一筋縄ではいかない馬だと痛感しました」

 13年ジャパンCでは2番人気に推されながらも15着と大敗。これを最後に内田騎手と芦毛の個性派とのコンビは解消。その後、12戦にわたり別の騎手が乗ることになった。

 そんな同馬のラストランは15年の有馬記念。その鞍上には2年ぶりに内田騎手が帰ってきていた。結果は8着だったが、彼らのコンビは1番人気の支持を受けていた。 (フリーライター)

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