【セントポーリア賞】ブライトマン 出世街道突っ走る 蛯名正師手応え「動き軽そう 体柔らかい」
2024年1月23日 05:30 今週から冬の東京開催が開幕。日曜9Rで行われる「セントポーリア賞」は過去の勝ち馬からジェニュイン、ドゥラメンテなどの活躍馬が誕生した出世レース。今年は現3歳世代で東京芝マイルを最も速く走った逸材ブライトマン(牡=蛯名正、父キズナ)が、春の大舞台を見据えて出走する。
ブライトマンの前走・未勝利戦の勝ちタイムは1分33秒3。これは現3歳世代の東京芝マイルにおける“レコード”。他に1分33秒台で勝ったのはゴンバデカーブース(サウジアラビアRC=1分33秒4)、チェルヴィニア(アルテミスS=1分33秒6)、ステレンボッシュ(赤松賞=1分33秒8)のみ。重賞級の脚力を数字が証明している。
蛯名正師がその才能を見いだしたのは22年セレクトセール1歳セリ。母キトゥンズダンプリングスは米国のG1馬。研さんを積んだ藤沢和雄厩舎で育成に携わった半兄カルナック(地方転出後にダートで9勝)は新馬戦に566キロで登場。兄は超がつく大型馬だが、弟には「動きが軽そうで体が柔らかい」と芝向きの資質を感じ取った。気性の難しさは「兄と一緒だった」と笑うが、新馬(5着)→2戦目Vと着実にステップアップして登竜門に挑む。
17日の1週前追いではWコースで5F66秒8~1F11秒4と高水準の時計をマーク。指揮官は「順調にきていて、しっかり負荷をかけることができた。動き、息の入りも良かった」と好況を伝える。騎乗した菅原明も「いい動きでした。厩舎の期待も大きいみたいですし勝ち負けする力はあると思います」と力を込める。
15年の2冠馬ドゥラメンテのみならず、近3年の勝ち馬も優秀。21年グレートマジシャンは毎日杯2着→ダービー4着。22年ドゥラドーレスは菊花賞4着の後にオープン入り。23年ベラジオオペラはダービー4着で既に重賞2勝(スプリングS、チャレンジC)。いずれもクラシックで上位に名を連ね重賞でも好走している。蛯名正師は「この馬の力を出せるかどうかに懸かっている。メンバーは強くなるけど楽しみだよね」と期待を口にする。この関門を越えれば、きっと明るい未来が待っている。
≪古馬で活躍も≫セントポーリア賞の勝ち馬でクラシックも制したのは95年ジェニュイン(皐月賞)、15年ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)の2頭。他にも94年オフサイドトラップ(98年天皇賞・秋など3勝)、06年トーホウアラン(08年京都大賞典など3勝)など、古馬となってから重賞で活躍した馬も多数いて、広い意味でも出世レースと言える。