【フェブラリーS】ウィルソンテソーロ 強気の攻め!昨年の“地方行脚”で体質強化
2024年2月15日 05:26 昨年Vレモンポップ、G1・3勝ウシュバテソーロが不在で、混戦模様のフェブラリーS。美浦ではチャンピオンズC、東京大賞典と昨年暮れのG1で砂の両巨頭相手に連続2着と好走したウィルソンテソーロの動きが目立った。1週前追いに続き、Wコース併せ馬で軽快な走り。しっかり負荷をかけられ、初戴冠への準備は整った。栗東ではドゥラエレーデが坂路で猛時計をマーク。芝&ダートG1ダブル制覇へ、万全をアピールした。
悲願G1制覇へ果敢に攻めた。過去にWコースでの調教で骨折し、いまだ左前脚にボルトが残るウィルソンテソーロ。かつて小手川師も「Wコースではあまりやりたくない」と話したほど。これまで最終追いは坂路が中心。だが今回は一転、強気にWコースを選択。悪夢を払拭すべく負荷をかけた。
最終調整はアエロプラニーノ(3歳未勝利)を2馬身半追いかけてスタート。序盤はリズム重視の走りで制御もきっちり。徐々にギアを上げ、前との距離を詰める。直線は僚馬の内を選択。瞬く間に僚馬を抜き去り、6F83秒7~1F11秒5で1馬身先着。最後まで楽な手応えでゴール板を駆け抜けた。
1週前追いに続きWコースで実戦さながらの調整。横田助手は「前走時に“今ならもう少し負荷をかけてもいいんじゃないか”という話になった」と攻めた意図を説明する。「2週続けて武士沢騎手(レースは松山)に乗ってもらったが“先週よりも手応えは良かったんじゃないか”と言ってくれた。しっかりスイッチが入ったね」と愛馬の動きに合格点を与えた。
体質強化の理由は“地方行脚”にある。昨年5月から長い休みを挟まず、地方交流重賞を中心に連戦。長距離輸送と地方特有のパワフルな砂を経験することで、完成へと近づきつつある。小手川師は「ようやくダート馬らしい筋肉がついてきた。メンタル的にも強くなった。自分のやるべきことが分かる馬で、先週から目つきが変わってきている」。愛馬の一戦ごとのパワーアップを実感している。
今回は松山と初コンビ。調教での騎乗もなく“ぶっつけ本番”になるが「(レース騎乗経験がある)川田君から話を聞いているみたいだし、この馬自身、誰が乗っても乗りやすい馬なので大丈夫」とトレーナーに不安の色は皆無。究極仕上げのウィルソン。真価発揮なら悲願のタイトルも夢ではない。
《東京千六ダ2戦2勝》ウィルソンテソーロは22年11月の2勝クラス(1着)以来となる東京ダート1600メートル戦。久々だが当舞台は2戦2勝と負け知らずだ。また、キタサンブラック産駒はイクイノックスを筆頭に6頭のJRA重賞ウイナーを出したが全て芝と障害。ウィルソンも交流重賞は3勝(かきつばた記念、マーキュリーC、白山大賞典)しているが、勝てば同産駒(他にガイアフォースも出走)初のJRAダート重賞Vとなる。