【フェブラリーS】ドゥラエレーデ 坂路で自己ベスト4F49秒1!ムルザバエフ「状態がいい証拠」

2024年2月15日 05:26

ムルザバエフを背に坂路で追い切るドゥラエレーデ(撮影・亀井直樹)

 スピード全開で坂路を駆け上がった。ドゥラエレーデは来日したばかりのムルザバエフが手綱を取り、坂路単走。序盤から軽やかなフットワークでぐんぐん加速し、ゴール前で鞍上が軽く促すと、もう一段ギアを上げた。そのまま4F49秒1~1F12秒6を楽に刻み、22年6月22日に記録した4F50秒3を1秒2上回る自己ベスト。この日の栗東坂路で2位に0秒6差のズバ抜けた1番時計を叩き出した。ムルザバエフは「全体時計は速かったが無理をさせず、最後まで動きは楽でした。時計が速くなったのは状態がいい証拠です」と好感触を口にした。

 22年夏の札幌ダート1700メートルで未勝利を勝ち上がり、そこから芝に切り替え、ムルザバエフとの新コンビで臨んだホープフルSでG1初制覇。昨春はUAEダービー(2着)で海外遠征を経験し、続くダービーはスタート後に落馬、競走中止。宝塚記念(10着)ではファン投票19位に支持され、12年5着マウントシャスタ以来の3歳馬参戦で注目を集めた。異色のキャリアを誇る存在。池添師は「ファンレターがたくさん届くほど人気のある馬ですし、ファンの期待に応えられるような結果を残したい」と気合が入っている。

 2走前からダートに戻して、チャンピオンズC、東京大賞典と続けて3着に好走。2走とも手綱を取ったムルザバエフは「精神力の強さが一番のストロングポイント。どんな状況でも諦めず、精いっぱい走ってくれる」とパートナーを評価する。唯一の不安は芝を含め、キャリア最短の1600メートル。「いつものようにいいポジションを取れるかは、やってみないと分からない」と慎重な口ぶりだが芝スタート(ゲートから約150メートル)なら持ち前のダッシュが利く。「芝を経験しているのは強み。そこが少しでもいい方に出てほしい。長く脚を使えるので直線が長い東京は合うはず」と適性を見込んでいる。

 ダート界を代表するG1馬レモンポップ、ウシュバテソーロを相手に食い下がった実力は本物。芝&ダート双方でのJRA・G1制覇へ、最も手が合う名手が巧みな手綱さばきでゴールに導く。

 《池添師相性抜群》ムルザバエフは4度目のJRA短期免許取得。「勝つために日本に来ました。ドゥラエレーデは素晴らしい馬。またコンビを組めるのがうれしい」と頬を緩める。これまでJRA通算30勝をマークし、厩舎別では池添厩舎で最多タイの3勝。【3・2・4・4】で勝率23.1%、連対率38.5%、複勝率69.2%。単勝回収率821%、複勝回収率328%と驚異的な数字を誇る。「たくさん乗せてもらって池添厩舎の皆さんに感謝しています」と律義に答えた。昨年暮れは厩舎の忘年会に参加し、交流を深めた。「池添先生の人柄は素晴らしい。将来、日本を背負っていく調教師になると感じている」とトレーナーに信頼を寄せている。

 【短期免許】JRAは14日、バウルジャン・ムルザバエフ(31=カザフスタン)に短期騎手免許を交付すると発表した。期間は17日から4月14日まで。身元引受調教師は清水久詞師(栗東)、契約馬主は米本晃子氏。

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