【NHKマイルC】福永師 最速G1制覇なるか?チャンネルトンネルで挑む「開業61日目」偉業

2024年5月3日 05:19

チャンネルトンネルと初G1に挑む福永師(撮影・亀井 直樹)

 先週3勝の固め勝ち(京都1勝、新潟2勝)。厩舎開業後、既に5勝を挙げ、完全に軌道に乗った福永厩舎が早くもG1舞台に登場だ。チャンネルトンネルは前走のアーリントンC3着で挑戦権をゲット。仕上げに磨きがかかる。

 「前走はいいポジションで競馬ができて、言うことない内容。(坂井が)うまく乗ってくれた。あそこからズバッと差し切ってくれたらいいが、そんなに甘くなかった(笑い)。勝った馬も強かったから」

 トレーナーとしての福永師にスポットライトが当たるが、気負いはない。プレッシャーもない。はるかな高みから自分の調教師人生のワンステップを冷静に見つめているようだ。これが自著でも語られている「俯瞰(ふかん)する力」なのだろう。

 「G1だからといって、何も普段の週末と変わらない。やることは一緒。スタッフは元・安田隆厩舎の人が多いから(経験値として)G1だからといって、そんなに士気が上がることもないからね」と笑う。厩舎開業初年度でのG1制覇となれば、グレード制が導入された84年以降では7人目。開業日から「61日」での勝利なら森秀行師の「69日」(93年ジャパンC・レガシーワールド)を上回る最速記録となるが、そんな記録など意識するはずもなく、目の前の一戦に全力が注がれている。

 「体つきはむしろ前走よりいいし、状態もいい。あとは当日、パドックのテンションを修正できれば。右手前の走りがいいから、東京のマイルも合うと思う。これからの馬。現状でどれだけやれるかだね」

 春5月、騎手としてG1・34勝を含むJRA通算2636勝を挙げたトレーナーが新たなステージへ。物語の新章が始まる。

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