【鳴尾記念】ヨーホーレイク完全復活V!岩田望「もっと上を」
2024年6月2日 04:30 名門・友道厩舎の実力馬が息を吹き返した。「第77回鳴尾記念」は1日、阪神が改修工事中のため、34年ぶりに京都で開催。1番人気ヨーホーレイクが道中5番手から抜け出し、2番人気ボッケリーニとの接戦を頭差でものにした。屈腱炎を乗り越え、22年日経新春杯以来の重賞制覇。馬主の金子真人ホールディングスは15年ラブリーデイ、23年ボッケリーニに続く同レース3勝目、鞍上の岩田望来(24)は節目のJRA重賞10勝目。人気の一角だったロードデルレイは発走直前に左後肢ハ行を発症、無念の競走除外になった。
同じ勝負服が同時にゴールに飛び込んだ。先に抜け出した内のヨーホーレイクか、外から迫ったボッケリーニか。金子真人オーナーの所有馬による1、2番人気の激しい追い比べは頭差でヨーホーレイクに軍配。実績馬が屈腱炎を乗り越え、完全復活を遂げた。一昨日、24歳の誕生日を迎えたばかりの岩田望は自らを祝う重賞V。鞍上は「(ゴールした瞬間は)どちらが勝ったのか、分からなかったけど(2着の)モレイラさんが“おめでとう”と言ってくれた。その時はまだ半信半疑だったが勝てて良かった」と笑顔で喜んだ。
五分のスタートから道中5番手で折り合った。直線は馬場の真ん中に進路を取り、ぐんぐん加速。冷静な手綱さばきで22年日経新春杯以来の重賞Vに導いた。岩田望は「馬場状態が良く、後ろからでは届かないと思ったので、いいポジションを取った」と振り返りつつ「ポテンシャルを秘めているし、もっと上を目指せる」と先を見据えた。
デビュー2連勝で挑んだ20年ホープフルSで3着に入り、翌年はきさらぎ賞2着、皐月賞5着、ダービー7着と善戦した。クラシック最終戦の菊花賞は目の外傷で無念の見送り。日経新春杯で重賞初制覇を飾ったが、その直後に屈腱炎が判明して2年2カ月もの戦線離脱。復帰後は金鯱賞、新潟大賞典で続けて3着とし、3走目で勝ち星をもぎ取った。友道師は「ようやく勝てた。ダービーの頃から期待していた馬だから。何とかG1タイトルを獲らせてあげたい」と熱い思いがあふれる。
6歳でもキャリア10戦と若さ十分。脚元を考慮して、上半期のグランプリ宝塚記念(23日、京都)は見送り。指揮官は「(次は)秋かな。大事に使います」と今後のプランを明かした。秋の大舞台を見据え、夏シーズンはゆっくり牧場で英気を養う。
◆ヨーホーレイク 父ディープインパクト 母クロウキャニオン(母の父フレンチデピュティ)18年3月19日生まれ 牡6歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億9135万9000円 馬名はカナディアンロッキーの湖。