シュトルーヴェで宝塚記念2勝目狙うレーン

2024年6月21日 05:05

初来日を果たす前の17年にオーストラリアで撮影したレーン(左)と筆者

 【競馬人生劇場・平松さとし】ダミアン・レーン騎手を初めてインタビューしたのは2017年。今から7年前で、当時はまだ彼に来日経験はなかった。

 話を聞いたのはオーストラリア。メルボルンC(G1)が行われることでも有名なフレミントン競馬場の近くにあるカフェ。同競馬場で朝の調教を終えた後に時間を取っていただいた。

 当時の彼はまだ23歳。若手のホープとして、かの地でグングン名を上げていた。しかし、後に日本に来ることになり、これほどの活躍をするとはつゆほどにも思わぬまま、話を聞いた。

 父のマイケルは調教師で、母のヴィッキーも元調教師という血統。幼少時はサッカーやクリケットにも興じたそうだが、最終的に騎手になったのは血の宿命だったのかもしれない。

 15歳で見習騎手となり、09年には初騎乗。4年後の13年に初重賞制覇を記録すると、翌14年には弱冠20歳でG1初制覇(トラストインナゲストによるクラークチャリティーS)。その後はアッという間にトップ騎手への階段を駆け上がった。

 それにしても短期免許で初来日を果たした後の、日本馬との活躍は素晴らしい。19年にノームコアでヴィクトリアマイルを勝ち、初のJRA・G1制覇をマークすると、昨年はタスティエーラで日本ダービーを優勝。JRAのG1・5勝の他に、19年にはメールドグラースでオーストラリアのコーフィールドC(G1)を勝利。また、同年の有馬記念などを勝ったリスグラシューとはオーストラリアのコックスプレート(G1)を勝つなど、国を問わず活躍してみせた。

 前述のリスグラシューとのタッグでは19年宝塚記念も優勝しているが、今年はこの春のグランプリでシュトルーヴェ(セン5=堀)に乗るために来日した。その後のJpn1帝王賞(26日、大井)でも有力馬の1頭であるセラフィックコール(牡4=寺島)に騎乗を予定している。オーストラリアの名手の手綱さばきに注目したい。 (フリーライター)

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