【秋華賞】ステレンボッシュ グイッと加速で闘魂注入! 桜の女王が奪還狙う
2024年10月10日 05:29 牝馬3冠最終ラウンド「第29回秋華賞」の最終追い切りが9日、東西トレセンで行われた。桜花賞を制した関東馬ステレンボッシュは滞在する栗東のCWコースで戸崎が騎乗。熱のこもった3頭併せで力強い動きを披露した。3度目の栗東滞在効果で2冠制覇を目指す。ローズS覇者クイーンズウォークは坂路で静かな最終調整で態勢を整えた。中内田厩舎は昨年の牝馬3冠リバティアイランドに続く、秋華賞連覇に挑む。
2冠制覇へ、桜の女王に闘魂注入。3度目の栗東滞在となるステレンボッシュは戸崎を背にハロー(馬場整地)明けのCWコースに登場した。先行した僚馬モスクロッサー(3歳1勝クラス)に続く2番手を追走。直線は真ん中に進路を取り、しまいビシッと気合をつけるとグイッと加速し、ラスト2Fは11秒5→11秒4とさすがの伸びを見せた。僚馬に半馬身先着し、ゴール前で内から迫った秋華賞出走予定のミアネーロとは併入フィニッシュした。
オークス2着以来の騎乗だった鞍上は「最後の反応を確かめる指示。(最後に)スイッチを入れて力強さを感じる走りでしたが、もうひとつ良くなりそうな動きだった。この追い切りでどこまで上向くか」と慎重な口ぶりながらもパートナーに期待を寄せる。見守った国枝師も「最後にもう少しグッと伸びてほしかったが、この調教を経て競馬でしっかり動けるようになると思う」とジャッジした。
桜花賞に続く2冠制覇を狙ったオークスは惜しくも半馬身差の2着。指揮官は「落鉄していたけど、いい競馬だった。距離をこなしてくれたし悲観する内容ではなかったと思う」と振り返る。夏場は福島県のノーザンファーム天栄に放牧。トライアルを挟まず、直行ローテで牝馬ラスト1冠に挑むことを決めた。阪神JF2着、桜花賞に続く3度目の栗東滞在を選択。必勝態勢で本番へ向かう。「結果が出ているパターン。長距離輸送がなくて落ち着いて(レースへ)臨めるのがいい」と効果を口にする。
国枝師は秋華賞歴代最多の3勝。自身が手がけて牝馬3冠を達成した10年アパパネ、18年アーモンドアイと比べて「完成度を比較しても高いレベルにある」と素質を高く評価する。春の悔しい思いをラスト1冠にぶつける。
<リバティに続くか>秋華賞が創設された96年以降、キャリア5戦以上で連対率が100%だった馬は10頭が出走して5勝、3着1回の好成績。そのうち当レースを制した07年ダイワスカーレット、09年レッドディザイア、18年アーモンドアイ、23年リバティアイランドの4頭は桜花賞でも連対(順に1、2、1、1着)していた(15年ミッキークイーンは不出走)。桜花賞2着ステレンボッシュには吉兆データだ。