【エリザベス女王杯】レガレイラ G1・3勝目へ王手!勝負の3頭併せ、万全デモ1F11秒4

2025年11月13日 05:30

Wコース、3頭併せで追い切るレガレイラ(中)(撮影・郡司修)

 牝馬中距離頂上決戦「第50回エリザベス女王杯」の最終追いが12日、東西トレセンで行われ、昨年のグランプリホース、レガレイラが素軽い伸び脚を披露。1番人気に支持されながら5着に敗れた昨年のリベンジへ好仕上がりをアピールした。舞台となる京都競馬場では、史上初となる競馬場での将棋の公式戦「第38期竜王戦7番勝負」の第4局が、藤井聡太竜王(23)=王将など6冠=が、挑戦者・佐々木勇気八段(31)を迎えて開催されているが、週末はレガレイラがG1・3勝目を飾り「女王」の称号を手に入れる。

 木村師の指し回しに狂いなし。一手、また一手。頭脳派トレーナーの計算し尽くされた采配。最善手を積み重ね、レガレイラはまばゆいほどの好馬体を手に入れた。「スタッフと話し合って、こういう追い切りをしていこうと言っていた設計図通りに対応できた」。厳しいジャッジも少なくない師。納得のいく調整過程に笑顔があふれた。

 実戦形式のWコース3頭併せは厩舎の勝負手。アルセナール(4歳オープン)を前に、ガルサブランカ(4歳2勝クラス)を後ろに置く形で最終リハはスタートした。序盤から前進気勢たっぷりの走りで、4角では前を捉えんばかりの抑え切れない手応え。直線は闘志を内に秘めたまま鋭く伸びる。馬なりながらラスト1F(200メートル)は11秒4。余力を残して僚馬に先着した。

 快勝した前走オールカマー後は、ノーザンファーム天栄でリフレッシュ。帰厩後は順調に調整を重ね、ひと追いごとに本来の華麗なフットワークを取り戻していった。1週前追いはWコース長め8F(1600メートル)追い(併せ馬)。しっかり負荷をかけ、スイッチを入れた。指揮官は「基礎体力が整っているかを見たくて設定。頑張ってくれていた。1週前からトラブルがないなと見ていた」と満足。理想通りの上昇カーブを描いている。

 レガレイラの大きな課題はスタート。木村師は「変えていかなければいけないと思って取り組んでいる」としつつも「競馬になったらしっかり頑張っていくという裏返しでもある」と冷静に分析。「そういう、いい部分を消さないように。なおかつ有馬記念のようにいいスタートを切って、騎手の思うようにいくように取り組んできた」。長所を消さずに短所をなくす。数々の名馬を育ててきたトレーナーにしかできない絶妙な調整で、馬の完成度を高めた。昨年は直線で不利を受けて無念5着。「こういう競技なので、スムーズにいかないことはある。結果自体はつらいものだったけど、いい経験をさせてもらった」と前向きに捉える。

 藤井竜王は自分を競走馬に例えると「終盤戦が一番好きなので、競馬で言うと差し馬。私の目指す将棋に近い」とコメント。23年ホープフルS、昨年有馬記念と牡馬をなぎ倒したレガレイラも驚速の差し脚で女流の頂点へ。万全の仕上げで王手をかけた。

 《古馬混合G1勝ち馬好成績》古馬牡牝混合G1勝ち馬の成績がいい。延べ7頭が出走して、05年スイープトウショウと20年ラッキーライラックの2勝。06年スイープトウショウが2着、98年エアグルーヴ、07年スイープトウショウが3着と馬券圏内率71・4%と高い。今年の唯一の該当馬レガレイラの好走は間違いない!?

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