【エリザベス女王杯】エリカエクスプレス 距離の壁を飛び越えろ!武豊「馬のリズムに合わせて」
2025年11月13日 05:26 秋華賞2着エリカエクスプレスは坂路で自己ベストを更新。悲願のG1獲りへ、万全の仕上がりだ。
開門直後の坂路に登場したエリカエクスプレスの背には2戦連続でコンビを組む武豊の姿があった。単走馬なりで馬場の真ん中を力強く駆け上がる。道中は我慢が利いた走りで徐々にペースを上げて加速。「軽すぎた」が鞍上の第一感だったようだが、計時した4F52秒6~1F12秒1は自己ベストを更新。これには「思ったよりタイムが出ていた」と驚き交じりに「動きは良かった。前回同様、調教ではそれほどイレ込んでいなくて、凄くおとなしかった」と好感触を伝えた。
前走秋華賞は逃げ粘り2着。調教に乗った際とレースでのテンションの違いを肌で感じた。「当日テンションが凄く上がって、スピードで自然とハナを切る形になってしまった」と回想する。今回も展開の鍵を握ることは間違いないが「折り合いが中心になる。(作戦は)決めてはいないです。馬のリズムに合わせて」と戦術に含みを持たせる。
2F延長を克服した前走からさらに1Fの延長。杉山晴師は「“エリザベス女王杯に行かないんですか”という感じで話があった」と前走後の武豊とのやりとりを明かし、「京都は合うのかなと思ったし、この馬にしたら間隔は詰まり気味ではあるが、この中間も在厩で状態は変わらない」と起用理由を説明。最終リハについては「武騎手に前走との比較をしてもらった。“トモの動きは前回より良く感じた”と言ってもらって、ストライドも乗っている感触より大きくなった印象だった」と上積みを強調した。
ひと月前、正確無比なラップを刻む逃げで観衆を熱狂させたエリカエクスプレス×武豊のコンビが淀の舞台に戻ってくる。頂点まであと一歩。3歳秋に少し成熟した姫はどのようなレースでファンを楽しませるのか。師は「簡単には行かないが、前回で復調の兆しを見せてくれた。強いエリカエクスプレスをお見せできるように頑張ります」と力強かった。観客の視線を奪う準備は整った。
