今週の特集

11年目で“覚醒”菊沢一樹 夏の新潟競馬“攻略法”は?

2026年7月8日 05:30

飛躍の1年を送っている菊沢一樹

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は美浦取材班の菊地一(24)が担当する。デビュー11年目の菊沢一樹(28)に「上半期の振り返り」「夏競馬の攻略法」を聞いた。

 デビュー11年目の菊沢が飛躍の一年を送っている。4月の福島牝馬Sで7年ぶりの重賞制覇を飾ると、5月30日に通算200勝を達成。ここまで26勝をマークし、昨年更新したキャリアハイ29勝を優に上回るペースで来ている。まさに順風満帆の上半期を過ごした菊沢だが、「結果としては順調に勝てているけど、納得できないレースはたくさんあるし、勝ちこぼしてしまったレースもある。これだけチャンスをいただいているので、後半戦でもっといい結果を出せれば」とキッパリ。現状に満足している様子はない。

 一方で、確かな成長も実感している。父・隆徳師の管理馬コガネノソラで挙げた7年ぶりの重賞Vを「7年前とは違う感覚だった」と振り返る。どのような違いがあったのか――。菊沢は「前回も今回も馬に勝たせてもらったというのは大前提なんですけど」と前置きした上で続けた。「昔から、何をするにしても最初からうまくいくタイプではなくて、ちょっとずつ経験して攻略の仕方を覚えていくタイプの人間だった。ジョッキーとしても、たくさん経験させてもらえて、勝ち方を教えてもらってきたと感じる。7年前よりはイメージができた中でレースに行けたし、技術的にもできることが増えた。自信につながるような勝利になったと思う」。これまで5000以上のレースに騎乗。地道に追い切りにまたがり続けてきたからこそ、言葉にも重みがある。「まだまだ良くなる余地はたくさんある。もっとうまいジョッキーになれるように、今を大事に頑張りたいと思います」と力を込めた。

 そんな菊沢は新潟競馬場が得意。競馬場別成績では最多67勝をマークしており、芝のレースに限れば22年以降で単勝回収率128%を誇る。せっかくなので、来たる夏の新潟開催を前に攻略法を尋ねてみた。

 攻略の鍵はズバリ、「春、秋開催と夏開催は全くの別物」ということ。菊沢は「春と秋は芝の寝付きが悪かったり、時季的に少し時計のかかる芝状態が多い。一方で夏はパンパンの馬場でスピード勝負、切れ味勝負になりやすい」と分析する。その上で「春と秋で好走しているから、夏の新潟も問題ないかというと、そうじゃない馬もいるし、逆に夏の馬場の方が得意な馬もいる。前回、新潟でいい競馬をしているというよりは、もう少しさかのぼって夏の新潟でいい競馬をしているかどうかの方がリンクするかなと思っています」と語った。

 分かりやすい説明で、同じ新潟でも“全くの別物”であることが分かった。当然、馬自身の成長や衰えがあることは考慮しなければならないが、「夏の新潟に良績がある馬」を狙ってみると高配当が望めるかもしれない。

 ◇菊沢 一樹(きくざわ・かずき)1997年(平9)8月27日生まれ、茨城県出身の28歳。16年3月、元JRA騎手の父・菊沢隆徳厩舎所属でデビュー。現在はフリー。同年5月7日東京1R(ジョリガーニャント)で初勝利。19年七夕賞を父の管理馬ミッキースワローで制して重賞初制覇。JRA通算5431戦206勝。同期は坂井瑠星、荻野極、木幡巧也ら。伯父は騎手の横山典弘。

 ◇菊地 一(きくち・いち)2002年(平14)3月25日生まれ、東京都出身の24歳。ディープインパクトと生年月日が一緒。趣味は野球観戦、ゴルフ、料理。小学1年から高校3年まで野球部に所属。大学で競馬に目覚め、4年時は東京、中山の全G1を現地観戦。

特集

2026年7月8日のニュース