【追憶の柴田善臣 G1初勝利】93年安田記念ヤマニンゼファー 「ゴールまでが本当に長かった」

2026年9月15日 16:05

93年、 第43回安田記念でG1初勝利を挙げ、鞍上の柴田善臣騎手はゴールの瞬間ガッツポーズ

 JRA騎手の柴田善臣(60)が15日、現役引退を表明した。デビュー42年でJRA・G1勝利は9回。当時の“ヒーロー原稿”をもとに振り返る。G1初勝利は93年の安田記念。ヤマニンゼファーとのコンビだった。(馬齢は現在の表記)

1着 ヤマニンゼファー 牡5 57柴田善
2着 イクノディクタス 牝6 55村 本
3着 シンコウラブリイ 牝4 55岡 部

 「早めに先頭に立ったが、ゴールまでが本当に長かったです」。柴田善がファンの前で喜びを語る。悲願のG1制覇だ。それも普段から「G1でも特にマイルのレースで勝ちたいんだ」と、しきりに漏らしていただけに格別だ。派手なガッツポーズが飛び出したのも無理はない。ホクトヘリオス(安田記念4、4、5着、マイルCS2着)、ホクトビーナス、ヤマノカサブランカ(ともに桜花賞2着)とあと一歩のところまで追い詰めながら勝てなかった。

 柴田善のヤマニンゼファーは好スタートを切り早々と2番手をキープ。4コーナーで前を行くマイネルヨースに並びかけた時も「馬の力を信じ切って、それしかない」と割り切っていた。

 し烈な2着争い。米、仏からやってきたロータスプールもキットウッドもその中に加わっている。それだけに堂々たる勝ちっぷり。昨年に続く連覇だが、今年のVの方がはるかに重みがある。

 「本当によくやってくれた。今後のことはじっくり考えるよ」。栗田(博憲)師も興奮気味だ。そんな同師にロータスプールのロメロ騎手が声をかける。「強い馬だ。日本にも素晴らしい馬がいることがわかった」と。彼はおそらくヤマニンゼファーの父が日本産馬(ニホンピロウイナー)であることを知らないはず。

 実質的な国際化元年、12回を数える招待競走のジャパンC以外に初めて外国に開放されたメモリアルレースが安田記念だった。これからも続々とレースが開放され、外国馬が乗り込んでくるだろう。
 
 しかし、外国馬を恐れることはない。ヨシトミが、ヤマニンゼファーが、日本馬に大きな勇気を与えた。

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