【追憶の柴田善臣 G1・7勝目】10年宝塚記念ナカヤマフェスタ 4年3カ月ぶりG1V「忘れた頃に…」

2026年9月15日 16:05

10年、第51回宝塚記念で、ナカヤマフェスタ(牡4)でレースを制し、口取り式で馬主の和泉信一氏(右)と笑顔で話す柴田善臣騎手

 JRA騎手の柴田善臣(60)が15日、現役引退を表明した。デビュー42年目でJRA・G1勝利は9回。当時の“ヒーロー原稿”をもとに振り返る。G1・7勝目は10年の宝塚記念。ナカヤマフェスタとのコンビだった。阪神競馬場でのG1Vは初、実に4年3カ月ぶりのG1勝利。4歳馬でのG1勝利はこの馬だけだった。

1着 ナカヤマフェスタ  牡4 58柴田善
2着 ブエナビスタ    牝4 56横山典
3着 アーネストリー   牡5 58佐 藤

 執念が実った。夏の太陽が戻った仁川の夢舞台でナカヤマフェスタが完全復活。ゲート入りを嫌がり騎手が下馬したのはご愛きょう。中団につけて最終4コーナーで一気に前団へ。残り200メートル、5万観衆の誰もがブエナビスタとアーネストリーの一騎打ちと思った瞬間、未完の剛脚が火を噴いた。豪快に2頭をまとめて抜き去った。

 大仕事を終えた柴田善は心地良い笑顔。G1は06年高松宮記念(オレハマッテルゼ)以来7勝目。09年1月、腰ついヘルニアの手術を乗り越え、今年初めから円熟技はさえわたっていた。「4年ぶり?忘れた頃にやりますね。昨年は腰の手術でリズムに乗り切れなかった。同じ二ノ宮(敬宇)厩舎のアクシオンがすぐ前で引っ張ってくれたので、4コーナーでもスムーズに外に出せた。気の悪さも見せず、気分良く走ってくれた。スタッフの方に感謝したい」

 チーム力の勝利だ。2度の遠征(菊花賞12着、中日新聞杯13着)で敗戦。試行錯誤の上、出した結論が“栗東滞在”。6月17日に美浦から栗東へ。コース入りを嫌がったり鞍上を振り落としたこともある性格も配慮し、僚馬ナカヤマスウェプトを帯同させた上に、堀内、佐々木助手の2人を送り込んだ。

 「G1の喜び?久しぶりなんで忘れちゃったよ」。あのエルコンドルパサーで制した98年ジャパンC以来、12年ぶりG1制覇となった二ノ宮師は“戦術”を問われると真顔になった。「どうしたら馬にストレスがかからないやり方ができるか?最善の方法ができた。栗東入りは厩舎のみんなで決めた案。結果は後からついてくるので過程が重要だと思う。調教自体は美浦でも変わりないが、フェスタに関しては輸送とメンタルな面で栗東に移って良かったと思う」と振り返った。

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