【追憶の柴田善臣 G1・8勝目】12年エリザベス女王杯レインボーダリア 「いいイメージで臨んだ」
2026年9月15日 16:05 JRA騎手の柴田善臣(60)が15日、現役引退を表明した。デビュー42年目でJRA・G1勝利は9回。当時の“ヒーロー原稿”をもとに振り返る。G1・8勝目は12年のエリザベス女王杯。レインボーダリアとのコンビだった。京都競馬場でのG1Vは初めて。G1・9勝のうち牝馬での優勝はこの1回となった。
1着 レインボーダリア 牝5 56柴田善
2着 ヴィルシーナ 牝3 54内 田
3着 ピクシープリンセス 牝4 56Mデムーロ
柴田善には勝てる予感があった。頭にあったのは10年の宝塚記念。関西のG1、レインボーダリアと同じ二ノ宮(敬宇)厩舎の馬(ナカヤマフェスタ=8番人気)とのコンビ、圧倒的1番人気馬(ブエナビスタ)が相手。「あの時も外から2番目のゲート(8枠17番)だった。いいイメージを持ち、プラス思考で臨んだ」。28年目のベテランは自らに暗示を掛け、7番人気の伏兵をVに導いた。
降り続く雨、馬場は重。道中は11番手を追走。3角過ぎで流れが一気に速くなったが、無理に追いかけなかった。自分のペースを保ったまま、直線は外へ。前にいたヴィルシーナに、力強く襲いかかった。残り150メートルは2頭の一騎打ち。必死に食い下がる3歳馬を、外から首差ねじ伏せた。
「馬のリズムを崩さなければ何とかなると思った。ヴィルシーナとの叩き合いでも、こちらの勢いの方が上。抑え込めると思った」。普段は重賞を勝っても眉ひとつ動かさない柴田善がゴール後、馬上で小さく2度ガッツポーズ。さらに、横山典ともハイタッチで喜びを分かち合った。珍しく、喜びがあふれ出た。
二ノ宮師も10年宝塚記念以来のG1制覇。指揮官は好騎乗を称賛した。「うちの厩舎のいろいろな馬に乗ってもらっているが、馬の感情、気持ちをくんでくれる。熟練の域に達している」。重賞未勝利ながらG1は4度目の挑戦。格上の相手と戦い続け、地力を養った。「実が入って、後肢の力が強くなっているとパドックで思った。踏み込みが良くなり、力が前肢にも伝わっている。目立つ馬ではないが、こつこつと段階を踏んで力を付けた」としみじみ成長を振り返った。
