【凱旋門賞】元担当厩務員・今浪氏特別手記 産駒メイショウタバルに託したゴールドシップの雪辱
2026年9月29日 05:10 産駒に夢を託す!「第105回凱旋門賞」(10月4日、パリロンシャン)に出走するメイショウタバルが、父ゴールドシップのリベンジに挑む。父は14年の同レースで末脚不発の14着。その背中を追うようにタバルは宝塚記念を連覇してフランスに渡り、大一番に向けて調整を続けている。ゴールドシップの担当スタッフを務め、23年6月末に退職した元厩務員の今浪隆利氏(68)がスポニチ本紙に特別手記を寄せ、エールを送った。
須貝厩舎でゴールドシップを担当させていただき、その子供であるメイショウタバルをずっと応援してきました。昨年の宝塚記念でG1を初めて勝った時は本当にうれしかったです。テレビの前で、吠えましたね(笑い)。連覇が懸かった今年も勝てると思っていました。その前の大阪杯2着が強かったんです。逃げて踏ん張り切れないかなと思ったところを辛抱していました。直線の坂でスピードが落ちることなく、ギューンと加速できるあたりがゴールドシップと似ています。あの馬も宝塚記念を連覇(13、14年)できて阪神が得意でしたけど、タバルも合うんでしょう。湿った馬場も大丈夫ですので、直前の豪雨は問題なかったですね。今年もめちゃくちゃ吠えました。
シップが凱旋門賞を走ったのはもう12年前。シャンティイ調教場では日本では考えられないほど、おとなしかったんです。牧場にいるような感じで雰囲気が違いました。仕事としてはやりやすかったですけど、調教で後ろをついて行ったら速歩で離されてしまったことがあって…。森の中で迷子になりました。来た道を引き返して厩舎に戻れたので良かったです。同じ須貝厩舎のジャスタウェイと一緒にいられたことも大きかったですね。前を誘導してくれて、追い切りも併せ馬でできましたから。もし、シップが2頭いて一緒にいたとしても同じようにはできなかったでしょう。
ロンシャン競馬場では馬房でイレ込んでいました。日本では(馬房の)前を馬が通らない限りはうるさくなかったんですけどね。蹴ったりするアクシデントがないように競馬の時間まで一緒にいました。外に出れば大丈夫でしたし、ジョッキーが乗ってスイッチが入るのは、日本にいる時と一緒でした。ただ結果は14着。二の脚がなくて後ろからになりましたし、馬場的にも難しかったです。前の方にいなければ厳しいと思いました。その点でタバルは前に行ける脚質ですし、チャンスはあると思います。
宝塚記念を勝ててフランスに行けたという喜びがまず一番。なかなか行ける機会はないですから。タバルを担当する上籠さんに聞いても精神的に大人になってきて、シップと比べても落ち着きがあるように感じます。調整はしやすいでしょう。アドマイヤテラにも頑張ってほしいですし、日本馬を応援しています。タバルには来年、シップが果たせなかった宝塚記念3連覇にチャレンジしてほしいです。夢は尽きないですね。
◇今浪 隆利(いまなみ・たかとし)1958年(昭33)9月20日生まれ、北九州市出身の68歳。小倉競馬場の近くで育って競走馬に興味を抱いたことから馬の道を志した。73年に名古屋競馬で騎手見習い、北海道の優駿牧場勤務を経て77年にJRA厩務員になる。栗東・内藤繁春厩舎、中尾正厩舎、09年から須貝厩舎。ゴールドシップ、レッドリヴェール、ソダシでJRA・G1・10勝。23年6月末に定年を前倒しし、退職した。現在は不定期ながらヘルパー厩務員を務める。
▽14年凱旋門賞VTR 日本から3頭が参戦。ゴールドシップは横山典とのコンビで2番ゲートからスタートした。無理せず最後方から馬のリズムを重視。最後の直線は大外からじわじわポジションを上げるも、エンジンがかかることはなく14着に敗れた。道中で内をロスなく立ち回った地元馬トレヴが抜け出し、連覇を達成。外から伸びた3歳牝馬ハープスターが日本馬最先着の6着、僚馬ジャスタウェイは8着だった。
《19頭が登録継続》凱旋門賞の第1回登録取り消し(取り消し料1450ユーロ=約26万円)が28日、締め切られ、19頭が登録を継続。登録していた日本馬7頭のうちアロヒアリイ、ジュウリョクピエロ、シンエンペラー、ビザンチンドリーム、フォーエバーヤングは取り消した。29日に第2回登録取り消し(取り消し料6000ユーロ=約108万円)があり、30日に出馬投票が行われる。


