完全燃焼!サムソン悔いなし8着/有馬記念
2008年12月29日 06:00年度代表馬受付中
完全燃焼。あらん限りの力を出し切った武豊メイショウサムソンに悔いはなかった。好スタートを決めると向正面では終始ダイワスカーレットの2番手。往年のサムソンならグイッとねじ伏せたはずだが…。残り1F、次世代の女傑に花を譲るように、ひっそりと8着に後退した。
大勢の報道陣を前に武豊は「スタートも良かったので…最後ですから覚悟を決めて先行しようと思っていた。迫力という点で全盛期に少々足りなかったかな。もう3コーナーでは手応えが(スカーレットとは)違っていた」と静かな口調で切り出した。高橋成師も敗れて悔いなし。「勝とうと思って豊君も乗ってくれた。展開はどうあれ、ダイワを追いかけて負けたのなら本望。最後だし勝つか負けるかの競馬を…と思っていた」と愛馬をいたわった。
年明けの1月4日、京都競馬場で引退式。G1・4勝の輝かしい勲章を胸に、北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りする。「トップホースとしてよく頑張ってくれた。最後を飾らせてあげたかったけど…。今はご苦労さんと言ってあげたい」。武豊は休みなく稼働した“無事是(これ)名馬サムソン”の2世誕生を心待ちにしていた。