武豊リーチ一発!3週連続重賞V/きさらぎ賞
2009年2月16日 06:00 クラシックを占う「第49回きさらぎ賞」が15日、京都競馬場で行われ、単勝1・5倍の圧倒的1番人気に支持されたリーチザクラウン(牡3=橋口)が逃げ切って優勝。父スペシャルウィーク(98年)との父子同一重賞制覇でクラシックへ弾みをつけた。また、手綱を取った武豊は3週連続の重賞制覇となった。
【レース結果
限定武豊タオル
GIパネル
】
能力の違いだけで押し切ったリーチザクラウンの完勝劇だった。ハナを奪ってマイペースに持ち込むと、直線を向いても絶好の手応え。軽く仕掛けただけで後続を引き離し、ゴールしてみれば2着リクエストソングには3馬身半差もつけていた。武豊が笑顔でレースを振り返る。
「スタートしてからポジションを決めようと思って自然とハナへ。控える競馬も考えていたけど早めに切り替えた。ゴール前はセーフティーリードだったね。いいレースだったし、あらためて強さを感じた」
昨年暮れの前走・ラジオNIKKEI杯2歳Sでは2着。クラシックへ向けて弾みをつける意味でも、今年の初戦をものにしたのは大きい。しかも、その勝ちっぷりが身体能力の高さを再認識させる内容。11年前に武豊とのコンビでこのレースを制した父スペシャルウィークは、ここをステップに日本ダービーで頂点に立った。父の軌跡をたどるように、その産駒がG1舞台へ力強く名乗りを上げた。
「これで胸を張って東へ行ける。タイプは違うけど、お父さんみたいになれたらいいね」
武豊にとっては京都牝馬S(チェレブリタ)→共同通信杯(ブレイクランアウト)に続く3週連続の重賞V。「来週もいい競馬ができるよう頑張りたい」と気持ちを新たにした。
橋口師はレース後、皐月賞(4月19日、中山)直行のローテーションを明言。今年の初タイトルとあって満面に笑みを浮かべつつも、期待が大きいからこそ課題を挙げることも忘れなかった。
「カイバを食べても身に付かないから馬体が細化していたし、テンションも高い。手放しでは喜べないね。皐月賞まであと2カ月。間にレースを挟むことは考えていないし、心身ともに立て直していきたい」
ゆとりのあるローテーションで鍛え直し、3冠初戦に備えていくことになった。トレーナーの視線は本番だけを見据えていた。
◆リーチザクラウン 父スペシャルウィーク 母クラウンピース(母の父シアトルスルー)牡3歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・臼田浩義氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 通算成績5戦3勝 総獲得賞金7154万6000円。